研究課題/領域番号 |
04301032
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
梅原 利夫 和光大学, 人文学部, 教授 (10130858)
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研究分担者 |
隈部 智雄 千葉大学, 教育学部, 教授 (80023141)
三石 初雄 福島大学, 教育学部, 助教授 (10157547)
佐々木 享 名古屋大学, 教育学部, 教授 (10083601)
池上 正道 和光大学, 非常勤講師
奥平 康照 和光大学, 人文学部, 教授 (50047172)
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キーワード | 教育課程 / 中等教育 / 中学校 / 選択教科 / 選択権 / 第一希望優先 / 必須と選択 |
研究概要 |
1993(平成5)年度より実施された中学校学習指導要領によって、選択教科の大幅導入が可能になった。しかし次の点が問題である。 1.選択教科実施の実態が明確でないこと。 2.中学校教育課程における選択教科の歴史的総括と編成原理の検討がなされていない。 3.実施上の困難点や改善点を整理すること。 我々は、93(平成5)年度に次の課題について継続研究を行ってきた。 1.全国中学校の一割にあたる学校を12都道府県から抽出し、92年度に第1回目のアンケート調査を行った。93年度は、前年回答のあった学校の76%の回答を得て再び調査を行った。 2.全国21校の文部省指定の「研究指定校」と東京都教育委員会指定の「研究協力校」について、前年度と同様に試問して調査した。 3.中学校選択教科制度の理論と歴史の研究を行った。 4.技術、社会、理科の3教科について授業の実例を検討し調査した。 その結果、次のような結論を得た。 1.全国の中学校で生徒が選ぶ選択教科制度を導入しているのは92年度で75%におよび、実施率は増加傾向にある。同時に実施してみての成果や問題点もあり、改善の課題は大きい。 2.「研究指定校」の大部分は、試行錯誤の中で多様な試みを行っている。なかでも、生徒の第1希望を優先させるなどの工夫は貴重であり、教員数や施設・設備の充実、授業内容や評価のあり方については、多くの学校が困難を抱えている。 3.必須と選択に関わる教育課程の編成原理は、中等教育前期部分の教育課程論の構築、「生徒の学習選択権」を軸にした原理の展開などが不可欠である。 4.これらを総括すると、選択教科制度はいまだ「試行中」であり、画一的な制度や定型化された早期の導入はさけられるべきであり、各学校の自主的な実施を大切にしたい。
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