研究課題/領域番号 |
04301033
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
井上 星児 国立教育研究所, 企画調整部・企画調整官(文部教官) (70223253)
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研究分担者 |
田中 敬文 東京学芸大学, 教育学部, 専任講師 (50236600)
島袋 勉 実践女子大学, 文学部, 教授 (30138185)
小林 亜子 愛知教育大学, 教育学部, 助教授(H. 5. 1. (90225491)
小野田 正利 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60169349)
レウ゛ィ アルウ゛レス クロ 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20205222)
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キーワード | 日本 / フランス / エリート養成 / 文化資本 / 文化的再生産 / 名門 / 東京大学 / 進路指導 |
研究概要 |
本共同研究は、日仏両国に関して、一般の親の経済客やブルデュー的「文化資本」の総体との関連で考察される「名門」高等教育機関学生の「成功」現象について、それらのマクロ要因だけでなく、ミクロ要因ー進学者個人の中等学校時代における受験勉強以外の文化・スポーツ活動、生徒会・地域ボランティア活動などとの相関はどうか、中等学校における生徒の進路決定の機構やパーソナル・プロセスはどうか、等々についても比較考察することを目的としている。ただし、研究第1年度である本年は、日本についての調査を主限とし、まず「5%の名門校」を含む日本の全大学の学生の活動・意識の包括的な実態と傾向を把握すべく、文部少『学生生活調査報告』をはじめとして、全国の大学で刊行されている学生生活実態調査報告書の収集・分析から着手した。既収集分の国公私立約50大学について暫定分析した限りでは、やはり大学間で家計所得差が見られた。しかも、難易度の高い大学に在籍する子女をもつ所帯は主たる家計支持者の平均所得が高い傾向にあり、通念通りに、子女の教育パフォーマンスと親の教育への投資の相関を無視しえないことが再確認された。次に、「名門」校の事例研究として、東京大学において専門課程の学生を対象に行った第1次アンケート調査(サンプル数55;7学部)の粗集計の結果を見ると、例えば、所謂「経済的再生産」度は学部によってバラツキがあること(例;教育学部は低い)、親の学歴は全国平均より高いが父母の両方または片方が中卒・高卒の比率も予想以上に高く(「職人」の家庭が多い)、その場合学生当人が自分が東大に入れた要因として「家庭の文化的雰囲気」を挙げている事例が印象として目立った。これらについては、本格調査で確認したい。この外、日仏の公立中の生徒の進路決定メカニズムを見るため、生徒・父母・職員対象の日本プレ・テストを、広島県内の2校において実施中である。
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