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1992 年度 実績報告書

沖縄からみた異文化としての日本ー本土体験の調査研究ー

研究課題

研究課題/領域番号 04301037
研究機関横浜国立大学

研究代表者

笠原 政治  横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (70130747)

研究分担者 石川 雅信  明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (30202972)
喜山 朝彦  宇都宮文星短期大学, 専任講師 (60186343)
植野 弘子  茨城大学, 教養部, 助教授 (40183016)
大越 公平  関東学院女子短期大学, 教授 (80194116)
酒井 正子  湘南国際女子短期大学, 助教授 (00092627)
キーワード沖縄研究 / 本土体験 / ライフヒストリー / 移民 / 出稼ぎ / 本土留学
研究概要

今年度は沖縄住民の本土体験の再構を共通課題にして、主に第2次大戦前および戦後アメリカの施政権下にあった27年間の時代を中心に調査を行った。本土体験・Uターン・文化ギャップ・異和感などと括られる一連の問題群は、沖縄の場合、きわめて多次元的で、かつ屈折した歴史過程を辿った。それらは従来の研究でよく本土と沖縄という枠組を前提にして論じられてはきたが、しかし、沖縄住民の文化的アイデンティティにかかわる問題は、決して本土-沖縄という二者関係の狭い枠内にとどまるものではない。本研究の代表者・分担者はそれぞれ、本土への住民移動はもとより、戦前の台湾移住と帰遷、戦前・戦後の海外移民、漁業を中心にした方南出稼ぎ、交易活動、留学などを糸口にして、近代以降の沖縄社会が辿ってきた国際環境の広がりの中で、その多次元的で屈折した体験の文脈を掘り起こそうとしてきた。面接調査から得られるライフヒストリーなどの一次資料を主体に、文字化された体験談集や新聞・雑誌等に記録された記事の整理、統計資料や名簿類の分析、歌謡等の民衆文化の復元など、調査地において個々に取り扱った資料とその分析方法もまた多岐にわたる。それらを綜合することで、沖縄住民の本土体験が、近代日本において特異な異文化体験の位相をもつことを示しうるものと思われる。そのような戦前・戦後期の歴史体験は、現在の沖縄の県・市町村・村造レベルの指導層を含む人事構成の重要な一面になっているだけでなく、80年代から始まった沖縄独自の国際交流の底流ともなり、さらには住民自身による沖縄民俗文化再発見の動きとも言える今日の地方誌作り、博物館活動などにも直接・間接に結びついている。本土体験調査は、沖縄近代史・現代史を視野におさめる新しい民族誌的研究を拓く可能性につながる。文化人類学の現代的関心と交差する研究課題として、一層の資料収集、理論的洗練が必要になってこよう。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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