研究課題/領域番号 |
04301044
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安田 二郎 東北大学, 文学部, 教授 (90036666)
|
研究分担者 |
津田 芳郎 北海道大学, 文学部, 助教授 (30091474)
中村 圭爾 大阪市立大学, 文学部, 教授 (00047383)
吉川 忠夫 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (30026801)
山田 勝芳 東北大学, 文学部, 教授 (20002553)
寺田 隆信 東北大学, 文学部, 教授 (80004034)
|
キーワード | 中国 / 士大夫 / 歴史認識 / 歴史意識 / 歴史叙述 / 正史 / 曲筆 / 墓誌銘 |
研究概要 |
中国知識人層、所謂士大夫の「歴史」との関わり方の諸相を、多角的かつ具体的に発掘するという本研究の目的に即し、それぞれの分担に応じて各研究者が、成果のとりまとめに専念した。すなわち、先秦期を分担する谷口満と松木民雄は、「先秦楚国の建国と建国伝説-先王伝説の形成にみられる加上の法則-」「春秋期の下克上に関する歴史意識-左伝の経・伝を通して-」を、秦漢期分担の冨谷至、山田勝芳、東晋次の三名は、各々「漢武帝観の変遷-武帝の怒りをめぐって-」、「歴史書に記載されないもの-「守器簿」をめぐって-」、「後漢書独行伝について」をまとめた。また六朝期については、中村圭爾が「魏蜀正閠論の一側面」石井仁が「『三国志』裴松之注にみる曹操像の変遷」、代表者安田二郎は「『晋書』の日食記事をめぐって」を、川合安が「沈約『宋書』の華夷意識」を著し、特に隋唐期に関しては、愛宕元「墓誌銘における曲筆-〓干承基墓誌を例にして-」、松浦千春「唐高宗朝における郊祀制度をめぐる論議について」、高橋継男「主として石刻による国号隋字についての研究簡史」、古畑徹「抄本系『唐会要』巻九十六靺鞨について」、氣賀澤保規「郭玉堂と『洛陽出土石刻時地記-民国期における北朝碑誌蒐集の周辺-」吉川忠夫「姚崇宋〓論の周邊」、計六篇の成果を得た。同様に中国近世、現代史の分野においても、寺田隆信が近、現代知識人層の歴史理解取得源を具さに解明した「士人の史的教養について-あるいは『資治通鑑』の流布について-」を著わしたほか、熊本崇「『四朝国史』欧陽修伝の形成過程-治平四年の事件を中心に-」、小林義廣「馮道論-欧陽修と司馬光-」、津田芳郎「歴史上の宋江について-研究史的回顧-」、新宮学「実録編纂にみる北京遷都の陰」、井上徹の「夏言の提案-明代嘉靖年間における家廟制度改革-」、深澤秀男「清末知識人に見る歴史認識と歴史意識の展開-唐才常の場合-」と、各々が力作をまとめ上げた。
|