研究課題/領域番号 |
04301048
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡本 明 広島大学, 文学部, 教授 (90025057)
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研究分担者 |
長田 浩彰 広島大学, 総合科学部, 講師 (40228028)
秋田 茂 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10175789)
槙原 茂 島根大学, 教育学部, 助教授 (00209412)
友田 卓爾 広島大学, 総合科学部, 教授 (70034824)
井内 太郎 広島大学, 文学部, 助教授 (50193537)
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キーワード | 君主儀礼 / バスタード・フューダリズム / ボナパルティズム / グラムシのヘゲモニー論 / ナチ・エリート / テクノクラット(支配) / 文化的ヘゲモニー / 司祭と教師 |
研究概要 |
本年度は4回の研究会(うち1回はメンバー外講師を招いての研究会)を開き,ヘゲモニーと社会移動に関する国ぐにの間の比較に論及した。イギリス史ではチューダー朝絶対王権の君主儀礼をとおしていかに王権の宮廷ジェントリーにたいするヘゲモニーが発揮されたかを論理的図像的に示し、またヘンリー6世時期(中世末期)の王様がバスタード・フューダリズムによって貴族に及ぼしたヘゲモニーの考察がなされた(以上イギリス)。また1790年代後半の総裁政府末期にあって、共和派支持のブルジョワジーが独立でヘゲモニーを確立できず、ナポレオンの強力なリーダーシップに依存せざるを得なかった事情が明らかにされた。さらに19世紀中葉のフランス南部にグラムシーのヘゲモニー概念を適用し、ローカル世界での民衆への文化的ヘゲモニーが司祭から教師へ移動したことを示した発表がおこなわれた(以上フランス史)。ナチ・エリートの学校教育・社会教育の経験やその後の経歴から、エリート形成の論理的・現実的過程に照明があてられた(ドイツ史)。今後は,グラムシのヘゲモニー概念の適用しうる範囲を考究し論理的作業をみがくこと,英仏のみならず仏晋(仏独)間の比較も十分時間をとっておこなう必要がある。また社会移動についてはまだ言及者が少ないのでこの領域にも力を入れたい。また現代史のテクノクラットの問題を扱かい、ナチ・エリート層の社会的背景を考えるよすがとしたい。
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