研究課題/領域番号 |
04301050
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
白石 太一郎 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (60150017)
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研究分担者 |
杉山 晋作 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助教授 (30150022)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (20032708)
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
岩崎 卓也 家政学院大学, 人文学部, 教授 (30015383)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
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キーワード | 伽耶 / 須恵器 / 陶質土器 / 古墳 / 馬具 / 短甲 |
研究概要 |
最近、古墳時代に朝鮮半島のなかでも特に日本との関係が深かった伽耶地域における古墳の調査研究の進展は著しく、また日本の古墳出土遺物と共通ないし類似する遺物が数多く検出されている。本研究はこうした最近の韓国における調査・研究の進展を踏まえて、伽耶の古墳出土資料と日本の古墳の出土品を比較・検討することによって両者の交流関係の実態を追求しようとしたものである。前年度は、日本の古墳出土遺物のなかでも馬具、甲冑、装身具、須恵器など伽耶と共通性の大きい遺物について、形態、製作技法、系譜・影響関係、編年などを研究メンバーがそれぞれ分担して検討を進め、また相互に討論の機会をもった。今年度はとりまとめの年度にあたるので、前年度の調査結果を各自が検討し、その成果をとりまとめた。それらの成果の一部は研究成果報告書に報告し、またさらに総合的な検討を加え、国立歴史民俗博物館研究報告などに報告するが、日本における須恵器の生産開始が、伽耶でもとくに洛東江中流域の陶質土器製作工人の渡来によって始まったこと、日本の初期の馬具が基本的には伽耶からもたらされた可能性が大きいことなど、4〜5世紀の日本における先進文物の受容に際して伽耶がはたした役割が予想以上に大きかったことを明らかにすることができた。 なお、今後の日本における古墳研究には、伽耶など朝鮮半島との関係の検討が不可欠と考えられるが、日本の古墳研究者の利用に供するため、伽耶関係の考古学および文献史学の研究文献目録を作製し、研究成果報告に収録した。
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