研究課題/領域番号 |
04301051
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
沼本 克明 広島大学, 教育学部, 教授 (40033500)
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研究分担者 |
末木 文美士 東京大学, 文学部, 助教授 (90114511)
石塚 晴通 北海道大学, 文学部, 教授 (10002289)
奥田 勲 聖心女子大学, 文学部, 教授 (90007948)
小林 芳規 徳島文理大学, 文学部, 教授 (10033474)
築島 裕 中央大学, 文学部, 教授 (60011277)
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キーワード | 文献言語資料 / 近畿古寺 / 国語史 |
研究概要 |
本総合研究は、1.近畿地方の古寺所蔵の文献言語資料を発掘し、国語史・国文学史・仏教史等広く日本文化史の資料として学界へ提示すること、2.各研究分担者の研究テーマを新資料によって深化発展させること、3.日本の言語文化を多角的・総合的に究明すること、4.文献言語資料を多角的に分析して研究課題を発見する研究への発展を期すこと、という大きく四つの目的をもって出発した。以下、各目的ごとに今年度の実績の概要を示す。 1.本総合研究で設定した近畿古寺のうちの主要対象寺である高山寺・石山寺・東寺・仁和寺・隨心院の聖教は、学界への紹介度という点ではさまざまであるが、従来未紹介であった隨心院聖教中には重要な辞書音義資料,訓点資料,声明資料,国史仏教史資料等が含まれていることが明らかになった。これ等は、順次公表する準備を行ないつつある。 2.各研究分担者の研究テーマの追究も、本年度一年の設査や合宿討議によってかなり進めることができた。その成果は次頁以下に示した維誌論文として順次発表し、また発表して行く準備を進めつつある。 3.各経蔵の資料を言語文化の観点から多角的総合的に把える試みとしては、研究代表者は、日本語表記史を総合的に把える作業を行ない、「濁点」の発生展開史について新しい解釈が得られた。分担者築島裕のヲコト点の研究成果も仏教史を背景に据えたその種の総合的な視点に立ってのものである。 4.新しい研究課題・分野の開拓という点については、研究代表者は訓点資料の節博士の通時的研究によって、日本音楽史への寄与の可能性を見出している。分担者小林芳規の角筆文献の研究では日本語方言史研究の新しい展開が始められつつある。
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