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1992 年度 実績報告書

フランス文学におけるパリ-中世から現代まで

研究課題

研究課題/領域番号 04301056
研究機関東京大学

研究代表者

田村 毅  東京大学, 文学部, 教授 (90011379)

研究分担者 塚本 昌則  東京大学, 文学部, 助手 (90242081)
星埜 守之  東京大学, 文学部, 助手 (10238743)
中地 義和  東京大学, 文学部, 助教授 (50188942)
月村 辰雄  東京大学, 文学部, 助教授 (50143342)
塩川 徹也  東京大学, 文学部, 教授 (00109050)
キーワードフランス文学 / パリ / 中世抒情詩 / 古典主義文学 / フランス革命 / 万国博覧会 / ベル・エポック / シュルレアリスム
研究概要

フランス文学にてって、パリは最大の霊感の源であり、作家に題材を提供し、作品の舞台として機能する。他方、パリは創造活動のみならず文学作品の受容の中心でもあるということができ、作品の評価を通じて流行を作り出し、その時代ごとの文芸思潮を支配し、それによって再び作家の創造に影響を及ぼす。本研究は、イメージとして作品にあらわれる「形象としてのパリ」と、背後にあってそのイメージを作り出す「機能としてのパリ」との相互の関連・干渉を、中世から現代まで、時代を追って具体的に突きとめることを目的としている。
研究初年度にあたる本年は、まず文献資料の蒐集に努めた。その際、従来は見過ごされがちであった「機能としてのパリ」についての資料が重視され、たとえば主に19世紀に刊行されたパリの通史や風俗誌、またフランス革命期に関する文献などを揃え、その整理・分析をおこなった。さらに、「形象としてのパリ」をよくあらわすと同時に作品読解にも欠かせない基礎資料である古地図の蒐集にも努め、18世紀から19世紀に至る時代の変遷を仔細に浮き彫りにできるように留意した。
こうした資料の上に立って、各研究者がそれぞれ分担の時代や作品についての研究を進め、その成果については研究発表の項に掲げた著作・論文に明らかだが、特に19・20世紀のパリについて述べるとすれば、読書クラブとその機能、パリ万国博覧会の影響、ベル・エポック期の社会、シュルレアリスム運動などの事象が取り上げられ、それぞれにおいて、パリというイメージ、および現実のパリという都市が、作品といかなる関係を取り結んでいるか、考察が進められた。また、中世抒情詩とパリの宮廷、古典主義文学とパリの宗教界の動向についても、新しい観点から考察が進められた。

  • 研究成果

    (24件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (24件)

  • [文献書誌] TAMURA,Taeshi: "Gerard,Gerard de Nerval et guelgues antres noms d'un poete" Eguinoxe. No8. 27-41 (1992)

  • [文献書誌] 中地 義和: "パロディと杼情-『イリュミナシオン』における息" 文学(岩波書店). 第3巻4号. 130-139 (1992)

  • [文献書誌] NAKAJI,Yoshikazu: "Rimbaud an Japon - Un apercu historique" Revue d′histoire litteraire de la France. 92-No6. 982-993 (1992)

  • [文献書誌] NAKAJI,Yoshikazu: "L'Antiguite de Solde-Un aspect des Illumination de Rimbaud" 『フローベルの草稿研究』(東大教養学部科研費報告書:代表者蓮實重彦). (1993)

  • [文献書誌] 星埜 守之: "アンドレ・ブルトンとシュルレアリスムの現在を巡って" Eyes. 第2号. 6-10 (1992)

  • [文献書誌] 星埜 守之: "愛.ただそれだけ-マンディアルグとシュルレアリスム" ユリイカ. 第24巻9号. 180-189 (1992)

  • [文献書誌] 星埜 守之: "ジャック・ヴァシェ覚書" 仏語仏文学研究(東京大学). 8号. 175-186 (1992)

  • [文献書誌] 塚本 昌則: "マンディアルグ素描-マンディアルグがマンディアルグになるまで" ユリイカ. 第24巻9号. 190-205 (1992)

  • [文献書誌] 小倉 和子: "マラルメを書きかえるイヴ.ボヌフォワ" 立教大学研究報告〈人文科学〉. 第52号. 44-63 (1993)

  • [文献書誌] 有田 英也: "フランス・ファシズム文学のレトリックについての一考察" 成城文藝. 139. 71-99 (1992)

  • [文献書誌] 有田 英也: "幻影の-一九〇〇年-ポスターと万国博覧会" ユリイカ. 第24巻12号. 116-129 (1992)

  • [文献書誌] MASUDA,Makoto: "Musique et societe-Authropologie et theorie musicale cheg J.-J.Rousseau" Etudes de langue et letterature francaises. 60. 57-59 (1992)

  • [文献書誌] MASUDA,Makoto: "Metaphores et notions morales - Rousseau contve la theorie sensua liste de lorigine du languge" Equinoxe. No9. 21-38 (1992)

  • [文献書誌] 横張 誠: "ボードレールをめぐるベンヤミンのいくつかのモティーフについて" 現代思想. 20巻13号. 325-333 (1992)

  • [文献書誌] 鹿島 茂: "ベル・エポックの残響" ユリイカ. 24巻12号. 70-81 (1992)

  • [文献書誌] 宮下 志朗: "本の密猟者エンマ--19世紀フランスの読書する女" 月刊百科. 359. 4-10 (1992)

  • [文献書誌] 吉田 城: "ゾラのメダンの家を訪ねて" 言語. Vol.22,No4. (1993)

  • [文献書誌] 吉田 城: "世紀末を通して見たプルーストの世界" リテレール. 4号. 128-133 (1993)

  • [文献書誌] 塩川 徹也: "『宗教と哲学3.科学時代の神々』所収2.合理主義と神秘主義61-87P" 岩波書店, 326 (1992)

  • [文献書誌] SHIOKAWA,Tetsuya: "Justice et fouce/politique au Temps de Pasoal収録論文“Logique et politique:le role de la notion de foi humaine dans I'affaire dc lu signature duformulaire" pp・273-283" Klincksiecd(フランス.パリ), (1993)

  • [文献書誌] 月村 辰雄: "恋の文学誌-フランス文学の原風景をもとめて" 筑摩書店, 246 (1992)

  • [文献書誌] ピェール・シャンピオン著有田英也訳: "わが懐かしき街" 図書出版社, 428 (1992)

  • [文献書誌] 鹿島 茂: "絶景、パリ万国博覧会" 河出書房新社, 345 (1992)

  • [文献書誌] クシシトフ・ポミアン著 吉田城他訳: "コレクション-趣味と好奇心の歴史学" 平凡社, 465 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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