研究課題/領域番号 |
04301057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小岸 昭 京都大学, 総合人間学部, 教授 (60000600)
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研究分担者 |
細見 和之 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90238759)
松島 征 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90031476)
和田 忠彦 名古屋芸術大学, 助教授 (50158698)
伊藤 公雄 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (00159865)
池田 浩士 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70026780)
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キーワード | ファシズム / ナチス / ヒトラー / ムッソリーニ / フランコ / 政治 / 文化 / メディア |
研究概要 |
「ファシズム」を特殊な一時代の急進主義的な政治現象としてのみ捉えるのではなく、各国社会の全領域におよぶ一大文化現象として総合検証しようとする本研究において、今年度は昨年度の成果をふまえ、夏と秋にそれぞれ東京と滋賀において二回の全体研究会をもち、さらに東西の各ブロックで三ヵ月に一度の割合で研究会を行なってきた。 東京での全体研究会では、ポーランドの戦中・戦後において文学者によってファシズムがどのように「目撃」されていたか、またアルジェリアとフランスの関係においてファシズムがどう表出・体験されているか、あるいはマフィアという特異な組織がイタリア・ファシズムとどのように拮抗あるいは癒着していたのか、といったきわめて刺激的なテーマについて報告・討論が行なわれた。志賀での全体研究会では、ファシズム下で翼賛、抵抗の両面において重要な契機をなした音楽の問題に焦点をおき、シンポジウム形式で討論を行なった。とりわけこのシンポジウムにパネラーのひとりとして、外部から音楽評論家平井玄氏の参加をえ、貴重な発言を受けたことは本研究にとって大きな成果であった。また、同じく外部から京大農学部助手の崎山氏にラテン・アメリカにおける「ファシズム」の問題について報告を受け、「ヨーロッパ中心主義」的な視点の相対化について重要な示唆を得ることができた。 さらに、今年度は本研究の最終年度として、各研究分担者の研究成果の一部を「報告書」にまとめるとともに、今後も関東および関西のブロックを中心に研究を継続し、各自の研究成果を、すでに内諾を得ている出版社から一年をめどに一冊の本として刊行することを確認した。
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