研究課題/領域番号 |
04301064
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研究機関 | 八千代国際大学 |
研究代表者 |
蓼沼 謙一 八千代国際大学, 政治経済学部, 教授 (70017565)
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研究分担者 |
盛 誠吾 一橋大学, 法学部, 教授 (90134874)
諏訪 康雄 法政大学, 社会学部, 教授 (00139388)
毛塚 勝利 専修大学, 法学部, 教授 (30109136)
坂本 重雄 静岡大学, 人文学部, 教授 (10021825)
横井 芳弘 中央大学, 法学部, 教授 (70054997)
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キーワード | EC法 / 労働法 / 社会法 / 比較法 / 社会政策 |
研究概要 |
1.平成4年度は本研究の初年度であり、最新の文献・資料等の収集に努めるとともに、当初の研究計画に従い、研究分担者が3班に分かれて(前掲「研究組識」欄を参照)各自の個別的テーマについて研究を進めながら、原則として毎月1回東京において共同研究会を開催し、研究経過の報告と全体の調整を行った。 2.本年度の研究と通じて得られた主な知見および今後の研究遂行上の課題としては、次のようなものがある。 (1)92年末に予定されたEC市場統合は、デンマークによるマーストリヒト条約批准拒否はあったものの、一応の達成を見た。しかし労働・社会法の分野では、同条約の作成に際してイギリスがローマ条約の社会条項の改正に強く抵抗したため、結局は当初の予定を変更し、イギリスを除く11カ国のみが社会政策に関する議定書及び89年社会憲章の実施に関する合意に達した。これにより、EC社会政策の根拠はローマ条約と11カ国合意の二本立てとなったわけであり、今後のECの労働・社会法の展開にも重大な影響を及ぼすことは確実である。 (2)89年11月の、イギリスを除く11カ国の首脳による政治宣言として採択されたEC社会憲章に関しては、EC委員会が47の措置を内容とする行動計画を作成し、91年末までにそのほとんどの措置を決定したが、理事会での審議は停滞し、各国の意見調整が難行したいくつかの措置については、なおその具体的内容が確定していない状態にある。本研究においても、今後さらにその動向をフォローしていくことにしている。 (3)本研究の課題であるEC統合の各国労働・社会法に与える影響の問題については、基本的条約などのほか、EC裁判所の判断が重要な役割を果たしており、たとえば男女雇用平等や営業譲渡等に伴う雇用関係の継続の問題などについて、わが国との比較を含めて、今後より総合的な検討を進める必要がある。
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