研究課題/領域番号 |
04301075
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森野 勝好 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (80066612)
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研究分担者 |
米倉 昭夫 近畿大学, 商経学部, 助教授 (80088111)
西沢 信善 広島大学, 総合科学部, 教授 (30164552)
西口 清勝 立命館大学, 経済学部, 教授 (20039465)
田口 信夫 長崎大学, 経済学部, 教授 (80039461)
川原 紀美雄 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (40201446)
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キーワード | 「外向き型」経済発展戦略 / 「内向き型」経済発展戦略 / アジアNIEs / ASEAN / 一次産品問題 / 債務累積問題 / 市場補究型アプローチ / サステイナブル・デイベロップメント |
研究概要 |
本研究においては、途上国経済論を専攻する研究者集団が共同して地域研究とテーマ別研究を行い、その研究成果を統合する中で、本研究が掲げている研究課題に接近するという方法を採っている。本年度は、地域研究として比較研究を行い、いわゆる「外向き型」(輸出指向型)経済発展戦略を採用したアジアNIEs(韓国)やSSEAN諸国(マレーシア)の経済発展の経験を、それが挫折したフィリピンや「内向型」のミャンマーやインドのそれと対比した。さらに、こうしたアジア諸国の1080年代の経済戦略を中近東やラテン・アメリカの諸国のそれと比較研究した。テーマ別研究としては、途上諸国の一次産品=交易条件の悪化の問題や債務累積問題、資金援助なかでも日本のODAの問題を取り上げ、さらに開発経済学のサーベイを行なった。本年度の研究は、次年度の成果取り槻めのための地域研究とテーマ研究の基礎的サーベイに重点を置いたものであったがそれでも、総合研究の効果が発揮され、いくつかの知見が得られた。ひとつは、1980年代と違い90年代に入って、途上国の飢餓・貧困・環境破壊からの脱出の曙光が微かながら見えてきたことである。なかでも、債務の重圧からの解散の展望を世界銀行が昨年(1992年)末に打ち出したことの意味を大きく、世界銀行が提唱してきている「市場補完型(market-friendly)アプローチ」の有効性が、ラテン・アメリカ諸国を中心に実証されてきているとわれわれは判断している。また、環境問題に関して「サスティナブル・ディベロップメント(ses tainble devolopment)の概荷の多様な解釈の中での正確な理解の必要を本研究グループが痛感していることも付言しておきたい。
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