研究分担者 |
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 教授 (40101620)
坂本 倬志 姫路独協大学, 経済情報学部, 教授 (10039464)
永岑 三千輝 立正大学, 経済学部, 教授 (70062867)
大森 弘喜 関東学院大学, 経済学部, 教授 (40103692)
広田 明 法政大学, 社会学部, 教授 (20061202)
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研究概要 |
平成4年度における研究の力点は,19世紀末以降の各歴史段階ごとに,また各国ないし地域ごとに,どのような問題ないし関心とのかかわりで「組織化」が問題にされ,実現されたかという点に関する,基本的な史実を洗い出すことにおかれた,この課題は,分担研究者による文献・資料の調査と個別の研究,さらに4回実施した全体の研究会での討議を通じてほぼ達成された,そこで明らかになった主要な点は以下の通りである。 1.「組織化」の進展とそれをめぐる議論には19世紀末,第1次大戦後の1920年代前半期,大不況下の1930年代から戦後期にかけての時期,の3つの波が区別できる。 2.「組織化」が問題になった領域は著しく多様であるが,「コーポラティズム」はそれを総括的かつ統一的に究明するための一つの有効な概念になり得る。 3.西ヨーロッパ,とくに大陸ヨーロッパ諸国について見た場合には,「組織化」には常に,経済民主主義の実現と自由主義の原則をいかに確保するかという,2つの原則的な問題が随伴していた。 4.「組織化」を肯定的に評価し,それを推進しようとした勢力には労働組合指導者と企業経営者の2つのグループがある。前者は経済民主主義の実現に主たる関心があり,国有化政策を軸に「組織化」を進めようとするのにたいして,後者はあくまでも市場経済の維持に狙いがあり,職能(団体)の自主性ないし自治の基礎上に「組織化」を進めようとしている点に大きな相違がなとめられる。
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