研究課題/領域番号 |
04301079
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八田 達夫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70008647)
|
研究分担者 |
木村 陽子 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (90205005)
小口 登良 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (90132985)
|
キーワード | 女性の労働供給 / 年金財政 / 高齢化時代 / 世代間所得移転 / 公的年金の再分配効果 |
研究概要 |
小口は年齢別賃金プロファイルや消費のプロファイルのデータを収集し、将来世代におけるこのプロファイルの推移を推計した。その後このプロファイル推計を用いて、主として八田が労働供給所与の仮定の下にパイロットモデルをつくり、公的年金保険料の引き上げが高齢化時代の財政収支にいかなる影響を及ぼすかを検討した。このパイロットモデルは生産の技術進歩の導入による所得の向上を動学的にいれたモデルである。 このモデルを使った分析では、厚生年金の場合、1950年以降に生まれた世代では保険料総額より給付総額の方が多いことが判明した。 一方、木村は、現行の制度を前提にした上で共稼ぎ世帯の中での様々なタイプ(妻の雇用期間や妻の年収別)に対する収益率の計測を行った。 上の測定によれば、1992年に30歳のコーホートでみると、独身者の関しては国民年金、厚生年金ともに国から受ける移転所得ははぼゼロだが、サラリーマンの妻である専業主婦に関しては大幅な移転所得を受けていることが分かった。1992年に50代、60代のコーホートについては、国民年金も厚生年金も独身者ですら国から大幅な移転所得を得、専業主婦はそれに加えてさらに大きな移転所得を得ていることが分かった。
|