研究課題/領域番号 |
04301085
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高田 正淳 神戸大学, 経営学部, 教授 (60030706)
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研究分担者 |
鳥羽 良英 専修大学, 商学部, 教授 (90106089)
古賀 智敏 龍谷大学, 経営学部, 教授 (70153509)
河合 秀敏 愛知大学, 経営学部, 教授 (60113057)
桧田 信男 中央大学, 商学部, 教授 (90083633)
櫻井 久勝 神戸大学, 経済学部, 助教授 (10127368)
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キーワード | 監査リスク / 虚偽記載 / 統制環境 / 通常実施すべき監査手続 / 十分な証拠 / 分析的手続 / 特記事項 / 適正性 |
研究概要 |
広範にわたる問題点のうち、内部統制、リスクアプローチ、分析的手続、虚傷記載と不正問題、適正性の要件、特記事項と未確定事項のような、より根本的な問題に研究目標を絞りこみ、それを中心にわが国および主要諸国の監査基準・準則を研究し、各分担者の研究成果について討議することにした。また大蔵省の監査基準・準則を受けて本年度9月より公表されてきている日本公認会計士協会・監査基準委員会の概念別の個別意見書が監査実務に対して大きい影響力をもつことを認識し、その委員会の主要メンバー数名を招き、12月から3月にかけて意見交換を行うための研究会を開催した。さらに年度末には新監査基準・準則に関する実態調査を実施し、監査人のみならず、利害関係者、被監告会社、関連領域の学者の意識・理解度・今後の問題点を実態に基づいて明らかにしようとした。これらのために問題毎の小委員会を9回、合同研究会を7回開催している。 その結果、1上記の諸概念のいずれもが、多発する不詳事件を背景に多様化する利害関係者の情報公開と監査に対する基待の高まりに対応して変化してきたものであり、それに対応する監査機能の拡大と監査の限界、適用の具体的要件を明確にする必要性を再認識したが、公表できるかなりの程度の成果に到達できたと考えている。2実態調査の公析にはまだ慎重な配慮が必要であることが判明したが、各分担者の概念研究と照合しつゝ、より適用可能な概念の展開を計ろうとしている。次年度早々に取組む予定である。3戦後における監査基準・準則の設定・改訂に対する社会環境の影響も明らかになった。政界,経済界、企業組織、商惚行、法律、監査役割制度の特異性がわが国の監査基準・準則の独自性をもたらした詳細を知ることもできた。わが国社会や監査制度の改善を指向すべく、今後の監査基準、準則のあり方に対する提言の根拠を得た。
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