研究概要 |
1.平成4年度分の調査として、東京都及び主要特別区、大阪府および主要衛星都市等におけるヒアリング調査と関連資料の意集を行った。とりわけ東京都下の新宿区、中野区,世田谷区,豊島区,足立区においては詳細調査を行った。 2.「住宅マスタープラン」の作成については東京都及び特別区が突出しており、都の策定マニュアルに基いて各特別区の住宅マスタープランが精力的に作成されていた。プラン作成に当っては、その前遅として地域の住宅事情の分析が要求されているが、この分析作業が住宅行政の独自性と必要性を要求し、並行して住宅行政部門が整備されていく状況が顕著に読みとれた。 3.「住宅マスタープラン」の構成要素として、住宅条例、住宅付置義務制度,コミニティ・ファンド、家賃補助制度、大賃住宅密集地域建替制度、高令者継続居住支援事業など、従来の政府住宅政策ではみられない新規事業が多数導入されていることが明らかになった。 4.一方、大阪衛星都市に集中している木賃アパート密集地域の居住環境整備事業に関する地区計画については、過去20年に亘る歴史的蓄積をもつ豊中市庄内地域を中心に、政策担当者、事業担当者へのヒアリング調査を通して、その事業計画の有効性に関する詳細は分伏を行った。その結果、地区計画事業の出発段階での行政・住宅・研究者ネットワークの組立て方がその後の政策立案及び事業執行の有効性を担保する上できわめて大きな影響力をもっていることが明らかになった。
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