研究課題/領域番号 |
04301087
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
七戸 長生 北海道大学, 農学部, 教授 (30001803)
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研究分担者 |
志賀 永一 北海道大学, 農学部, 助手 (50235511)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 助教授 (90125310)
小林 一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40225529)
竹谷 裕之 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023491)
酒井 惇一 東北大学, 農学部, 教授 (00005604)
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キーワード | 農業支援システム / 第三セクター / 農業生産法人 / 集落農場制 / 担い手認定制度 / 生産部会 / 農地部会 |
研究概要 |
本研究は、近年とみに危惧されつつある担い手空洞化の動向に対処して、農業主体の形成、産地化の展開を地域農業の再編過程ととらえ、担い手の量的・質的変貌と産地化の動きを軸として、その展開の過程にいかなる農業支援システムが必要となり、求められるのかを明らかにしようとするものである。 研究2年目(最終年)である本年度は、府県を中心に詳細な農家実態調査とともに当該地域の行政、農業改良普及所、農業協同組合などの関係機関の調査を行った。また、前年度の対象地である北海道についても、冷害への対応、減反緩和への対応に関する補足調査を行った。このうち報告書には、岩手県・北上市(稲作地帯:第三セクター、大規模受託経営、法人経営)、愛知県・安城市(稲作地帯:集落農場制、営農組合、担い手認定制度)、同渥美町(施設園芸地帯:生産部会、広域対応、市場対応)、佐賀県・白石地区農業協同組合(稲作二毛作地帯:生産部会、営農指導、農地部会)の農業振興の実態とその支援システムのあり方を整理した。 施設園芸や蔬菜類の導入により相対的に多くの専業農家を育成してきた渥美・白石では、農協営農指導と生産部会の活動のあり方がその展開方向を促進していた。しかし、個別経営の労働集約的な展開は地域的な農用地利用の担い手をどのように形成していくのかという課題を有していた。他方、集落の大半が恒常的勤務者で数名の担い手しか存在しない安城では、担い手を認定した受託経営を成立させている。ところが、新規作物導入が進まず広範に兼業化が進行しつつある北上では、専業農家の確保、その対極である一部受託経営層の成立も進展せず、農業後退的な状況に直面していることが明らかとなった。
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