研究課題/領域番号 |
04301088
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研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮本 真巳 (財)東京都精神医学総合研究所, 医療看護研究部門, 研究員 (30209952)
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研究分担者 |
小宮 敬子 (財)東京都精神医学総合研究所, 医療看護研究部門, 研究員
伊藤 ひろ子 (財)東京都精神医学総合研究所, 医療看護研究部門, 研究員
広瀬 寛子 東京大学医学部健康科学, 看護学科, 助手
武井 麻子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授
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キーワード | グループワーク / 体験学習 / 対人関係技法 / 集団力動 / グループ・プロセス |
研究概要 |
今年度は以下の調査研究活動を行った。(1)国内・外の看護、臨床心理、社会福祉の諸領域におけるグループワークに関する文献を収集して検康を加えると共に、看護教育の場でグループワークを実践している研究者を招いてセミナーを実施した。(2)研究者等が教育に関与している看護系大学において、グループワークを実施し参与観察を行った。(3)看護者を対象として、事例検討等の課題を持つグループワークと、特に課題を設定しないグループワークを組織し、その全課程をビデオテープ及びカセットテープに収録して討論の逐語言録を作成し、両者の比較検討によりグループプロセスの分析を行った。(4)精神障害者とその家族を対象としたグループワークの参与観察を行い、グループ・プロセスに検討を加えた。 これらの調査研究活動によって、以下の知見を得た。 (1)国内における看護関連の文献では、グループワークの実践と研究を結びつけた報告が少ないが、欧米においては増加傾向にある。集団による体験学習が、看護者自身の内省を深めるという観点から対人関係技法の向上を目的としたグループワーク方法論が発展を見せている。(2)看護基礎教育にグループワークを効果的に導入することによって、学生が自分自身の対人関係のあり方についての洞察力を高め、それを患者ケアに生かす方向での働きかけが可能となる。(3)課題を設定しないグループワークでは、グループ・プロセスの進展が速やかであった。これが看護者に特徴的にみられる現象であるかどうかは今後さらに検討を要する。(4)事例検討という課題を設定したグループワークにも、集団力動によって突き動かされる「グループ・プロセス」としての則面がある。(5)事例検討会の参加者が示す反応は、事例提供者及びグループに対する態度に応じて「統合」「直面化」「支持」「評価」の四類型に分類できる。
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