研究分担者 |
吉田 正章 九州大学, 理学部, 教授 (30030787)
真島 秀行 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50111456)
河野 実彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
木村 弘信 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40161575)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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研究概要 |
1.自然数k,n(k<n)に対して定義される(k,n)型のフックス型超幾何関数の研究:(1)ツイスト・ホモロジー、ツイスト・コホモロジー理論の整備と、それを前提とした種々の双対性の発見があった。これは相対サイクルの正則化、解空間の次元の厳密な証明などに始まり、組み合わせ論的理論(点の配置空間上の局所系の位相幾何を組み合せ位相幾何的見地から展開すること、組み合せ位相幾何と特異位相幾何の比較、ツイスト特異ホモロジー群の組み合せ的計算方法、超幾何関数の外積構造の一般の環上での展開)に発展した。さらにツイスト・ホモロジーやコホモロジーの交点理論が研究された。(2)(3,6)型の超幾何微分方程式のモノドロミ-群の最も標準的な生成元とこれが有限群になる場合が決定された。(3)超幾何微分方程式の隣接作用素とb関数の関係が付けられた。 2.自然数k,n(k<n)とnの分割λ=(λ_1,…,λ_l)に対して定義される(k,n)_λ型の合流型超幾何関数の研究:(1)隣接作用素のなす代数の構造が決定された。(2)分割λの2つの成分が合体して分割μが得られるとき、ある簡単な極限操作によって、(k,n)_λ型超幾何微分方程式から(k,n)_μ型超幾何微分方程式が得られることが示された。この操作は、1変数のときは特異点の合流操作そのものである。この操作はフックス型の場合の諸公式から合流型の場合の諸公式を導くのに有効で、様々な実験が試みられた。(3)合流型超幾何微分方程式にブレイド群が対応付けられ、ある場合の接続行列の決定が行われた。 3.漸近解析:合流型超幾何関数の正体を知るために必要な漸近解析について、一般的方法(ボレル変換、リサージェント方程式、ラプラス変換)が提示され、特別な場合として、アペルの超幾何関数の合流として得られる2変数合流型超幾何関数の漸近解析(漸近展開、ストークス係数の決定)が行われた。
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