研究分担者 |
小松 彦三郎 東京大学大学院, 数理科学研究科, 教授 (40011473)
村松 寿延 筑波大学, 数学系, 教授 (60027365)
谷島 賢二 東京大学大学院, 数理科学研究科, 教授 (80011758)
村田 實 東京工業大学, 理学部, 教授 (50087079)
猪狩 惺 東北大学, 理学部, 教授 (50004289)
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研究概要 |
この研究課題は,標題の3分野にわたる問題を従来の枠にとらわれずに研究する事を目的とした.3年間に得られた成果を箇条書きで記す. 1.関数空間,実関数論的手法と偏微分方程式.種々の非線形方程式偏微分方程式の解の性質を解明した。 2.調和解析と複素解析.強擬凸領域上の退化楕円型偏微分作用素の研究など,幾何学,確率論とも関連する成果を得た. 3.ウエーヴレット解析.ウエーヴレットおよびそれに関連するウイルソン基底を用いたシュレ-ディンガー作用素の固有値の漸近分布,擬微分作用素の有界性の解明. 4.漸近解析,数理物理. (1)定常位相の方法など漸近的方法の量子物理の数理物理への応用. (2)散乱理論においては,波動作用素のL^P有界性の証明,磁場,電場つきシュレ-ディンガー作用素の多角的研究,など. 5.正値解の構造,非相対コンパクト領域上の2階放物型・楕円型方程式の正値解の構造の具体的解明. 以上の成果は,実解析,フーリエ解析と線形,非線形偏微分方程式,量子物理の数理物理との強い結びつきを如実に示しており,さらには上記の第2,5項目は,幾何学,確率論とも結びつくものであった.今回の研究に関係した諸分野は,それぞれに長い歴史と広がりをもつ分野である.各分野での固有の深まりを尊重しつつも,今後長期的視点での共同研究が望まれる.
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