研究課題/領域番号 |
04302011
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
榎本 彦衛 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00011669)
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研究分担者 |
加納 幹雄 明石高専, 助教授 (20099823)
斎藤 明 日大, 文理, 講師 (90186924)
根上 生也 横国大, 教育, 助教授 (40164652)
江川 嘉美 東理大, 理, 助教授 (70147502)
坂内 英一 九大, 理, 教授 (10011652)
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キーワード | 組合せ論 / グラフ / 連結度 / 閉路 / 双対グラフ / アソシエーションスキーム / 指標表 |
研究概要 |
グラフ理論における基礎的な研究が活発に行われた。特に、k-因子やハミルトン閉路などの都合の良い全域部分グラフ(因子)が存在するために、点連結度、辺連結度、強度、結合数などグラフの連結性を表す不変量が満たすべき条件について色々な結果が得られた。また、通路と閉路に関する基本的な問題がいくつか解かれた。たとえば、3を法とした長さが指定されたとき、その長さの閉路が存在するための条件が得られた。また、独立した3頂点の次数の和がグラフの位数以上ならば、いくつかの例外を除き、最長閉路の長さは最長通路の点数-1以上であることが示された。これは、今までに知られていたこの種の結果を統一的に記述した形で拡張しており、最長閉路の性質に関する基本的な結果になると思われる。 また、可縮なグラフ(すなわち、連結度を保ったまま縮約できる部分グラフ)の存在に関する研究が色々行われた。3-連結グラフには可縮な辺が存在するという結果は有名であるが、その分布に関する研究や3点以上の可縮な部分グラフの存在に関する条件が得られた。代数的グラフ理論の中心的研究対象である距離正則グラフの研究では、対応するアソシエーションスキームの表現を研究することが重要であることがわかってきた。とくに、有限群の場合と同じような指標表が定義できることがわかり、代表的なアソシエーションスキームであるハミングスキームの指標表の性質を調べた。 曲面の幾何学的性質、そこに埋め込まれたグラフの性質の間には深い関係がある。平面に埋め込まれたグラフ(すなわち、平面グラフ)に双対グラフが定義できるが、その他の曲面の場合には双対グラフの定義は成功していない。射影平面の場合に異なる埋め込みに対応する双対グラフの性質を調べることにより、双対概念の見直しを行った。
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