研究分担者 |
村田 正秋 科学技術庁, 航空宇宙技術研究所, 室長
仙石 新 海上保安庁水路部, 航法測地課, 調査官
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40165197)
村田 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (20012916)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
|
研究概要 |
昨年度に引き続き,実施計画に沿って研究を実施した.まず,6月8日に研究分担者が国立天文台水沢観測センターに集まり,本年度の研究計画について討議した.ここでは特に,IGS(国際GPSサービス機構)への対応について国内関連研究者の連絡調整が必要であるとの議論がなされた.続いて,各分担者による研究が実施された.規模が小さくなったものの,全国共同観測を11月に実施し,南鳥島を含む広域において観測が行なわれ,1990年以来,4年間にわたる資料が蓄積された.また,石垣島におけるコロケーションが1994年2月に実施された.こうしたデータの蓄積量が膨大になりつつあるため,地震研の「GPS情報センター」を増強してハードディスクとプリンタを導入し,データ入出力の機構整備を行なったほか,メインメモリ(32MB)を増強して処理能力の向上を図った.この「センター」においてはCDDISからのデータ収集が順調に進み,全国の研究者に有効に利用されている.特に「大学連合」関係者はBernese softwareの導入と解析をすすめ,IGSによる精密暦と世界基準観測点である臼田のデータを利用することにより,極めて精度の高い基線解析ができることを実証した.例として,北海道南西沖地震,相模湾地域等における解析によって,前者では明瞭な地震の余効変動を検出することに成功し,また後者ではプレート境界の地殻歪集積過程について興味ある結果を得た.また,Epoch'92における国際共同観測資料を解析して0.01ppmの基線解析精度を達成し,西太平洋地域における測地基準網をcmの精度で構築することに成功した.最後に平成6年2月22日に「大学連合」を中心とする研究者が集会を開催し,今後の方策について協議した.なお,課題であった研究者間の情報交換に関してはLANによるBBSシステムが整備され,役立てられている.
|