研究分担者 |
村田 正秋 科学技術庁, 航空宇宙技術研究所, 室長
仙石 新 海上保安庁水路部, 航法測地課, 調査官
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40165197)
村田 一郎 北海道大学, 地震研究所, 教授 (20012916)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
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研究概要 |
本年は3年計画の最終年度であるので,研究のとりまとめを中心に作業をすすめた. 1.平成6年5月及び11月にGPS観測を実施し,資料の収集を行った. 2.平成6年10月4日に東京大学地震研究所において運営委員会を開催し,活動方針,「GPS研究会」の開催について討議した. 3.データの解析がすすみ,以下のような成果が得られた. (1)本研究計画によって取得されたIGSデータを用いて,グローバルなプレート運動を世界で初めて検出することができた.わずか2年間のデータから得られた結果では,プレート内部同士の基線変化はNUVEL-1モデルとよく調和していること,また,プレート境界部では剛体プレートモデルからのずれが検出され,今後のテクトニクス研究にGPSが重要なデータを提供しつつあることが示された.また,この結果,GPSによる基線の解析精度として,最高5x10^<-9>程度が達成されたことが明らかとなった. (2)日本周辺において取得された資料を解析して,フィリピン海プレートの回転極と回転角速度を算出した.これはGPSデータによる初めてのプレート相対運動の推定である.このような観測を今後続行することにより,日本周辺で発生する地震とプレート運動の関係の解明が期待される. (3)日本各地におけるGPS観測資料の解析がすすみ,地殻変動を高精度に検出することが可能になった.(例:相模湾,四国,南西諸島...) 4.以上の研究成果を発表するため,平成6年12月15〜16日に東京大学地震研究所において「GPS研究会」を開催した.この際,上記の地殻変動に関する成果ばかりでなく,移動体の精密測位への応用,移動体測位を応用した地震学への応用,海洋研究への応用など様々な新しい試みが発表された.
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