研究課題/領域番号 |
04302020
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
太田 一也 九州大学, 理学部, 教授 (10037202)
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研究分担者 |
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
平林 順一 東京工業大学, 草津白根火山観測所, 助教授 (30114888)
藤井 敏嗣 東北大学, 地震研究所, 教授 (00092320)
浜口 博之 東北大学, 理学部, 教授 (20004385)
加茂 幸介 京都大学, 防災研究所, 教授 (70025328)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 雲仙 / 普賢岳 / 溶岩ドーム / 火砕流 / 火山噴火予知 / 火山活動度 / 火山観測 |
研究概要 |
国立大学火山観測機関を中心に、総合的合同観測を実施し、溶岩ドーム形成と崩落による火砕流発生の実態把握を行なった。分野別の主な成果は次のとおりである。 〔地震観測〕地震活動は低調であるが、震源はドーム内または直下に集中し、各ローブ出現前後に、波形の変化が認められた。山体崩壊が懸念されている眉山一帯では皆無であった。 〔傾斜連続観測〕検出される超長周期振動波形により、一日当りの溶岩供給量を推定する手法が確立されたのは最大の成果である。これによると、1991年の最盛期40万m^3から漸減し、1992年末には5万m^3以下、翌年2月に復活し、以後約30万m^3を最高に、5回の増減が見られた。 〔地殻変動観測〕噴火開始以来、西海岸で最大66mm、あざみ谷で65mm沈降、平均的圧力源は、普賢岳西方4km、深さ7.5kmと推定された。 〔地磁気観測〕地下浅部での高温領域の拡大が続いている。磁場は、93年夏までは、熱消磁による北側増加・南側減少傾向が続いた。しかしその後は、浅部での激しい地殻変動で新たな熱源が出現、全点で増加した。 〔重力〕溶岩供給の蓄積に対応し、重力が最大120μ前後増加、ドーム直下1〜2kmでの質量増加を反映している。 〔火山ガス観測〕SO_2検出量は50〜200t/日で、溶岩供給量の増減との相関がみられ、溶岩噴出量50万m^3につき200〜370万tと見積もられた。またSO_2/HCL比は、0.7〜1.8で、この2年間に有意の変化はなかった。 〔溶岩ドーム観察〕これまでに12個のローブが形成され、全体として、比高200m(西側)〜400m(東側)、直径800m(南北)〜1km(東西)に達したローブの成長様式として、A.一方向成長、B.のり掛り成長、3.ドミの倒し成長の3つが認められた。また、ローブの外に、内成的成長もみられた。
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