研究課題/領域番号 |
04302040
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
角田 與史雄 北海道大学, 工学部, 教授 (60001210)
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研究分担者 |
牧角 龍憲 九州大学, 工学部, 助教授 (20136534)
六郷 恵哲 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40127155)
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30126479)
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / プレストレストコンクリート / 連続繊維 / FRP / 限界状態設計法 / 補強材 / 緊張材 |
研究概要 |
近年、鉄筋またはPC鋼材の代替材料として開発された連続繊維補強材は、鋼材に比較して高い引張強度を持つ、軽量である、腐食しない等の優れた性質を持つ反面、塑性域がなく、破断ひずみが小さい等、コンクリート補強材として用いる場合に特別な配慮が必要な性質も持ち合わせている。本研究は、連続繊維補強コンクリート構造物の設計手法を限界状態設計法に基づいて確立しようとするものである。 そのために、まず連続繊維補強材を鉄筋またはPC鋼材の代りに用いる場合の設計上の問題点を抽出した。その中から本年度は、1)材料としての設計用値に関しては、引張強度の変動、試験本数と得られる強度との関係、ヤング係数とその変動、付着性状など、2)連続繊維補強コンクリート部材の使用限界状態に対する設計法に関しては、曲げモーメントによるたわみ、たわみに対する斜ひび割れの影響、連続繊維棒材および格子状補強材を用いたときのひび割れ幅などに、3)終局限界状態に関しては、曲げ耐力、せん断補強筋がない部材のせん断耐力、せん断補強筋をもつ部材のせん断耐力など、4)疲労限界状態設計法に関しては、連続繊維補強材をはりの主筋として用いるときの疲労強度、5)その他、連続繊維補強材を外ケーブル方式の緊張材として使用する場合、およびケミカルプレストレストコンクリート部材の補強に使用する場合の設計法について研究を行った。せん断耐力に関する研究からは、連続繊維補強材を主筋またはせん断補強筋のいずれに用いた場合も、鉄筋に比べてヤング係数が小さいため、同し補強筋比の鉄筋コンクリートはりに比べて圧縮域での分担せん断力は小さくなるが、圧縮域の断面積の減少により限界応力状態に達するのが早くなるため、鉄筋コンクリートはりに比べてせん断耐力が低くなることが明らかになった。
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