研究課題/領域番号 |
04302042
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 晃 東京大学, 工学部 教授 (80011138)
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研究分担者 |
佐藤 愼司 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90170753)
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 助教授 (60151429)
三村 信男 茨城大学, 工学部, 助教授 (60133089)
都司 嘉宜 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
柳 哲雄 愛媛大学, 工学部, 教授 (70036490)
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キーワード | 地球温暖化 / 海面上昇 / 海面上昇の影響評価・予測 / 東アジア沿岸域 / 海岸線後退 / 塩水くさび / 海面上昇により水質変化 |
研究概要 |
日本周辺の平均海面変動の実態を明らかにするために、忍路、輪島、浜田、細島、串本、鮎川の1894-1990年の月平均水面の変動を解析した。その結果、三陸ー東海道岸では1-2mm/yearで平均海面は上昇し、日本海、四国-九州岸では0-0.5mm/yearで平均海面は下降していることがわかった。また、日本全国の代表港湾における年最大有義波高の変化を調べた。その結果、日本の平均気温と正に相関がある地域が多く、温暖化すれば年最大波が増加する可能性があることがわかった。また、温暖化による海面上昇が都市沿岸域にどの様な影響をもたらすかを、東京湾、名古屋港、仙台湾等を例にとり、数値シミュレーションによって調べた。 中国・天津市およびトンガ王国トンガタブ市を対象に、水没と高潮による脆弱性の評価を行い、それぞれの地域で影響がきわめて大きいという結果を得た。また、日本からバングラデシュにいたる東アジア地域の沿岸域を対象として、影響評価に必要となる文献データベースおよび地形情報データベースを作成した。低地の分布、潮位振幅の分布、海岸の形態等を解析し、東アジア地域の特徴を抽出した。 海面上昇に伴う海岸線後退量を推定するために、まず平衡地形に関する実験的および理論的研究を行った結果、砕波帯内では放物曲線の一部となることがわかった。また、自然海浜の砂浜の水没・消失を見積るため、Brunn則の改良を測り、評価方法を開発した。 温暖化によって海面が上昇したり流量が変化したりした際に問題となる河道への塩水くさびの遡上距離を多くの川に対して簡単に見積れるような図を作成した。また、海面上昇時の沿岸域の水質変化をシミュレーションするため、好気的な有機物分解、消化・脱窒、硫酸還元、酸素供給など水質変化をもたらす諸反応に対する塩分増加および水温上昇の影響をモデル化した。
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