研究分担者 |
灘岡 和夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70164481)
澤本 正樹 東北大学, 工学部, 教授 (90016519)
野上 道男 東京都立大学, 理学部, 教授 (50087144)
小池 俊雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30178173)
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
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研究概要 |
宝は,1992年10月宇宙開発事業団の協力を得て,愛知県矢田川流域において,航空機及び衛星リモートセンシング,航空写真撮影,地上における水文観測の同期実験を行い,空間的な観測データのデータベースを構築した.椎葉・宝らは,合成開口レーダー(SAR)画像からどのような地表面積情報を得ることができるのかを明らかにするために,地表面の被覆ごとにERS-1およびJERS-1のSARデータの持つ特性を調査し,その結果から,水域がどの程度,他の土地被覆と判別できるか,また,SAR画像を用いて空気力学的粗度を推定することの可能性について検討した.小池は,SARの画像データに含まれるフォアショートニングやレイオーバーなど従来の幾何補正技術では取り除けない歪みの量と観測地点の標高及び衛星軌道からの距離にほぼ線形関係があり,これによりある程度の精度で地形図とSAR画像の対応付けを行うことが可能であることを検証した.さらに小池は,チベット高原におけるJERS-1のSAR画像3シーンにLANDSAT-5から得られたTM画像1シーンと地形図から作成された河道網図及び現地の状況を照らし合わせることにより地表面情報の定性的な調査を行った.その結果,同一領域のSAR画像を何シートか重ねることにより定性的な地表面情報の抽出が可能であること,SAR画像から得られるCCT値とグランドデータの統計処理により同じシーンでは以後表面状態の推定が可能であることを検証した.寺川らは,SAR画像から得られる地表面情報の一つとして土壌水分量に着目し,その適用範囲を既往の研究成果をもとに整理するとともに,地上用多波長・多偏波マイクロ波散乱計を用いて,最も条件の単純な裸地面でのマイクロ波散乱特性の土壌水分量に対する依存性を実験的に検討した. 光学センサー(OPS)の利用可能性に関して,宝は,矢田川航空機実験において得られた空間分解能の異なる4種類のリモートセンシング画像を用いて土地被覆分類を行い,それぞれの分類精度を比較した.航空写真と現地踏査から求めたグランドトル-スマップに対する分類画像の的中率を誤差行列により評価し,JERS-1のOPSデータは,他のセンサのデータに比べて遜色のない分類結果を与えることを例示した.
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