研究分担者 |
佐野 修 山口大学, 工学部, 助教授 (20127765)
瀬戸 政宏 資源環境技術総合研究所, 安全工学部, 主任研究員
山本 清彦 東北大学, 理学部, 助教授 (90004390)
古住 光正 岩手大学, 工学部, 助教授 (20003874)
藤井 義明 北海道大学, 工学部, 助手 (70192309)
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研究概要 |
本年度は,昨年度の研究を継続するとともに新たに配付した釜石鉱山250mレベルの石灰岩について各研究機関がそれぞれの方法で地圧計測を行った。藤井は、DRA法に関し、reduced strainを用いない方法で石灰岩の三次元地圧を評価した。古住は、AE法とDRA法を用いて鉛直応力と水平面内応力を求め、石灰岩については、応力の大きさならびに最大水平応力の方位とも二つの方法で大きな差がないことを明らかにした。山本は、DRAに基づく応力記憶について基礎的な研究を行い、非弾性ひずみの発生機構を微視破壊によるものと地殻応力下での応力の均一化によるものに分類し、DRAのメカニズムは後者であるとの仮定に基づき理論的研究を行った。松木と小島は、山本とは別の観点から、閉鎖き裂の力学的挙動に注目し、ガラス板にWing crackを有する閉鎖き裂を導入してモデル実験を行い、AEのカイザー効果のみならずDRAによる非弾性ひずみの急増も閉鎖き裂の力学的挙動に現れること,またそれらの挙動はき裂面の粗さに大きく依存することを見いだし,さらに閉鎖き裂の除荷に伴う逆滑りが時間依存的に起こることを明らかにして,DSCA法も含めて,全てのコアを用いた地圧計測法の背後にあるメカニズムが岩石中に含まれる閉鎖き裂の力学的挙動によって説明できる可能性があることを示した。また,石灰岩について変位計測に基づくASR法を実施し,数ミクロン程度の極めて小さな変位にもかかわらず比較的安定した三次元地圧の方向が求められた。瀬戸は,AE法とDRA法の併用法により石灰岩の三次元地圧の評価を行い,鉛直応力が被り圧よりも小さいことを見いだしている。及川は,DSCA法とPSHA(静水圧下のDSCA)を行い,三次元地圧の方向を評価した。佐野は,地圧計測の基礎としてのDSA法および弾性波速度により花崗閃緑岩のき裂の配向性の評価を行い,き裂が少なく異方性も小さいことを明らかにしている。
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