研究課題/領域番号 |
04302055
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮地 英紀 京都大学, 理学部, 助教授 (90025388)
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研究分担者 |
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 教授 (20111651)
斎藤 幸夫 慶応大学, 理工学部, 助教授 (20162240)
宮本 嘉久 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (00174219)
大東 弘二 山形大学, 工学部, 教授 (90185372)
戸田 昭彦 京都大学, 理学部, 助手 (70201655)
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キーワード | 高分子結晶 / 結晶成長 / 剛直性高分子 / 高次構造 / ブレンド / モルフォロジー / 界面 |
研究概要 |
今年度は簡単な高分子から複雑な高分子系に研究の重点を置いた。 1.剛直性高分子の結晶化がポリパラフェニレンベンゾビスチアゾールとポリテトラフルオロエチレンについて行なわれ、結晶化温度とモルフォロジーが明らかにされた。すなわち、foldが出来ないため、基本的には分子鎖方向に伸びたフィブリルが基本単位と考えられていたが、結晶化温度・熱処理温度が高くなると分子鎖に垂直方向に伸びたフィブリルが発達してくる。これらの結晶成長は伸び切り鎖結晶と基本的に同じである。 2.共重合体として強誘電性高分子であるフッ素系高分子の伸び切り鎖結晶の高次構造と分極構造が明らかにされた。このドメイン構造は世界で初めて観測されたもので、高分子強誘電体が通常の強誘電体と同じカテゴリに入ることが示された。また、PETを含む共重合体の共結晶化の事実を発見した。 3.混合系(ブレンド)では結晶性高分子と非晶性高分子の混合系(PEO/PMMA,PVDF/PMMA,PCL/PVME)の結晶化とラメラ構造・球晶が研究され、これらの構造形成に高分子の拡散の効果が重要であることが指摘された。 4.ポリエチレン・ポリスチレンの融液・溶液成長は電子顕微鏡と小角X線散乱のほか原子間力顕微鏡の観察が行なわれ、結晶化温度に依存するモルフォロジーのほか、一枚の単結晶のセクターによって厚さが異なることが発見され、結晶-非晶界面の厚さ、結晶芯の厚さなど定量化が進んだ。 5.結晶の形と厚さについてのシミュレーションは実験結果を定性的に再現し、定量的に比較する段階に達した。
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