研究概要 |
高知県四万十川中流域の流出解析で,水資源賦存状況を分析した。小流域単位の小規模な水資源を先行的に利用した後,必要量を補完的に開発,分配する。こうした地域環境資源の保全と配慮した水資源開発のあり方を提起し,検討を加えた(三野)。広島県下の生活改善事業の実施事例を調査し,事業の良好な展開のための要件を明らかにした(前川)。地域活性化運動の事例として高知県本山町で現地調査を行った 農協婦人部による良心市,直売店経営,有機栽培による野菜,山菜,コンニャク生産が展開されているが,労力不足のために需要に応えきれない実態が明らかになった(尾崎)。島根県斐川町の独特な築地松景観特性を調査し,土地利用の発達と地形的特徴で3地域に区別できることを認めた。微地形,標高,地下水など自然条件と,景観の構成要因である樹種,配得法の関連を調査した(大田)。愛媛県内を棚田地帯を踏査し,地形と圃区,耕区の形状のあり方を,傾斜度,作業機械の作業性に加え,作物の生育性,棚田景観の観点から検討するべく,調査地点を選定した(櫻井)。四国の中山間地域に分布する風化残積土の風化程度とその理工学性との関連を現地調査,室内実験を通じて検討した(宮内)。中国地域の黒ボク土の団粒,有機物,乾燥が理工学性に与える影響を検討した(足立)。高知県高幡地区農地開発事業において,石膏散布による土壌流出,濁水流出の削減の可能性を室内実験で検討し,土壌流出の約30%の削減と濁度の大幅な改善の可能性を見いだした(赤江)。岐阜県黒ボク土畑地帯における土壌侵食調査を実施し,畝立て方向など土壌管理法とガリ侵食の発生の関係を検討した(天谷)。中山間地域の水域環境の実態調査を実施し,水性雑草の発生分布と優先度,護岸状況,水質および植物体内のN,Pを分析した。護岸改修に伴う水質の富栄養化,水域植生の破壊,富栄養化耐性水性雑草が繁茂する水系の増加を認めた(沖)。
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