研究課題/領域番号 |
04302064
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高山 茂美 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20062797)
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研究分担者 |
垣内 正久 学習院大学, 理学部, 助手 (60146321)
佐藤 芳徳 上越教育大学, 学校教育部, 助教授 (40143185)
北川 光雄 静岡英和女学院短期大学, 教養課程, 教授 (60076792)
安原 正也 通産省, 工業技術院・地質調査所・環境地質部, 主任研究官
鈴木 裕一 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70015858)
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キーワード | 富士山 / 地下水流動 / 湧水 / トリチウム / 安定同位体 |
研究概要 |
本年度は、本研究の最終年度でもあり、今までに採水されたサンプルの分析を終えるとともに、データの解析などに重点を置いて、分担者がそれぞれの研究を進めた。そして、三年間の研究のとりまとめを行い、「研究成果報告書」の作成・印刷を行った。 本研究の結果、得られた成果の主なものは以下の通りである。 一、富士山周辺の湧水の分布の把握に努めたが、分布している地域はかなり限定されていることがわかった。 二、富士山周辺の湧水の水温の形成機構が明らかになり、地熱の影響が小さいことがわかった。 三、富士山周辺の湧水の水質について考察したところ、水質の面からいくつかに地域区分することが可能となった。 四、天水の安定同位体組成の調査に基づき、地下水のかん養高度を求めたところ、標高1,000mから標高2,000ないし2,400m付近の山体斜面に降る降水が、地下水のかん養に非常に重要であることがわかった。 五、富士山周辺の地下水のトリチウム濃度は高いものは13TUであり、一部に古い時代にかん養された水が残されていることがわかった。湧水などのトリチウム濃度は、全体としては10TUを切るものが多かった。 そのほかにも、いろいろな興味ある事実が確認され、考察を進めてきた。その詳細は「研究成果報告書」に掲載する。
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