研究課題/領域番号 |
04303004
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
多賀 光彦 北海道大学, 理学部, 名誉教授 (90000778)
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研究分担者 |
吉村 和久 九州大学, 教養部, 教授 (80112291)
熊丸 尚宏 広島大学, 理学部, 教授 (50033816)
本水 昌二 岡山大学, 理学部, 教授 (50032826)
小熊 幸一 千葉大学, 工学部, 教授 (60009529)
中村 博 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00117194)
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キーワード | フミン酸 / 錯形成能力 / コバルト / 接触作用 / チタニア / ヌクレオチド / 開環型クラウンエーテル / 蛍光試薬 |
研究概要 |
フミン酸と重金属イオンとの相互作用を正確に評価する方法が陽極溶出ボルタンメトリー(ASV)を用いて開発された。フミン酸の電極への吸着やフミン酸-金属錯体の電極表面での解離は、溶液に陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加することによって抑制できた。開発したSDS添加/ASV法により、フミン酸の銅錯形成能力(条件安定度定数と錯化容量)を求めることができた。 過酸化水素存在下における3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾンとN,N-ジメチルアニリンとの酸化カップリング反応に対するコバルトの接触作用を利用して微量コバルトのFIA法を開発した。トリロンと炭酸水素ナトリウムの共存により相乗的な活性化作用が現れ、10^<-10>Mレベルの超微量コバルトの分析が可能となった。 高速液体クロマトグラフィーの充填剤としてのチタニア及び化学修飾型チタニアの安定性、吸着・保持特性が調べられた。この結果チタニアはシリカと比較して化学的安定性が格段に高いことが判明した。チタニアに対する有機リン酸エステルの吸着力はリン酸基の数に応じて強まるため、チタニアカラムを用いることによるリン酸基の数の違いによるヌクレオチドの分離が容易に達成できた。 開環型のクラウンエーテル部とその両端に蛍光性の多環芳香環を有する新規クラウンエーテル型蛍光試薬が開発された。多環芳香環としてアントラセンを両端に導入したものでは、クラウンエーテルの部位がアルカリ土類金属イオンと錯形成することによって、アントラセンモノマーの蛍光スペクトルからエキサイマーのスペクトルへの変化が観察された。スペクトルの変化からこれらの錯形成が1:1であり、錯形成の大きさの序列はCa^<2+>>Sr^<2+>>Ba^<2+>>Mg^<2+>であることが判明した。
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