研究課題/領域番号 |
04303005
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大川 尚士 九州大学, 理学部, 教授 (00037219)
|
研究分担者 |
宮本 健 東京大学, 理学部, 助教授 (30011604)
宗像 恵 近畿大学, 理工学部, 教授 (80090942)
巽 和行 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10155096)
上原 章 金沢大学, 理学部, 教授 (30019484)
伊藤 翼 東北大学, 理学部, 教授 (90007328)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
キーワード | 金属錯体 / 構造制御 / 分子強磁性体 / 導電性 / 酸素運搬 / 分子活性化 / 金属酵素モデル / クラスター錯体 |
研究概要 |
本研究課題の中で4つ主題を取り上げて以下の実績をあげた。 1.単核錯体の構造精密制御と高機能化:上山は分子内NH-S水素結合でチオラト金属錯体の構造制御を行うことで酸化還元電位の調節を、海崎はクロム(III)錯体の構造異性化を分子内水素結合で制御した。田中は立体制御したRu(II)錯体を用いて二酸化炭素の多電子還元を、木村は、立体制御した環状配位子のNi(II)錯体で酸素の活性化を実現した。佐々木はポルフィリンMo(IV)錯体で可逆的な酸素運搬系を実現した。 2.オリゴマー錯体の構造精密設計と高機能化:上原は二核化配位子を用いて酸素運搬酵素モデルを実現し、西田は二核鉄錯体で酸素の活性化機構を研究した。芳賀は二核ルテニウム錯体を用いてプロトトロピーを伴う酸化還元のスイッチングを実現した。福田は二核ニッケル錯体を用いてクロモトロピズム現象を見いだした。矢野はヘムエリトリンのRuアナローグを合成して、Ru_2(II,III)混合原子価状態を研究した。 3.クラスター錯体の構造精密制御と高機能化:伊藤はカルボキシラト三核クラスターを連結させた化合物の遂次合成に成功した。巽はカルコゲニド三核タンタル錯体を前駆体として新規クラスターの合成法を確立した。荻野はシリレン架橋二核鉄錯体の光異性化に及ぼす立体効果を研究した。 4.高秩序錯体集合系の構築と機能化:大川はジチオシュウ酸架橋の二元(Cr;Fe,Co,Ni)金属集積化合物を合成して、それぞれ、磁気転移温度が8、16、23Kの強磁性体であることを見いだした。大瀧はAgIをドープした超伝導性ガラスを合成して伝導機構を研究し、西出は固相膜にコバルト錯体を担持させた系で酸素促進輸送を実現した。宗像は銅(I)を集積させた超構造グラファイト化合物を合成して、導電性を実現させた。
|