研究分担者 |
奥野 誠 東京大学, 教養学部, 助教授 (40143325)
豊島 陽子 東京大学, 教養学部, 助教授 (40158043)
神谷 律 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124314)
高橋 景一 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40011481)
毛利 秀雄 放送大学, 教養学部, 教授 (70012268)
NAKAOKA Y. Osaka University, Biophysical Engineering, Associate Professor (90029562)
OGAWA K. National Institute for Basic Biology, Department of Cell Biology, Reaerch Fellow (30132731)
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研究概要 |
高橋は断片化したウニ精子鞭毛軸糸にエラスターゼを作用させATP中で滑り運動を解析し、滑り速度のCa^<2+>依存性を示した。真行寺は除膜ウニ精子頭部に強制振動を与え、微小管滑り速度を解析し、滑り速度変化は振動に応じ内腕のみによっても起こることを示した。豊島は遺伝子組替え技術でダイニンの特定部位を固定する方法を開発し、モータードメインをほぼ確定することができた。小川はcDNAをバキュロウイルスで発現させる系を確立し、ダイニンモーターの4個のP-ループ配列が酵素活性に関与しているかを調べた。神谷はクラミドモナスでダイニン内腕・外腕異常の突然変異株を単離した。内腕・外腕の構造と重鎖個々の機能を知るためin vitro運動を詳細に解析した。毛利は原生動物のダイニンは3頭構造、ウニ,魚,哺乳類と他の動物門では2頭構造であることを明らかにした。中村はテトラヒメナ繊毛の軸糸形成、運動過程でtubulin isoform,α_5が構造的に変化することをキモトリプシン消化法で示した。森沢は精子運動開始・活性化・走化性機構の各々の関連タンパク質の精製、cDNAクローニングを勢力的に進め大きな成果をあげた。稲葉はシロサケ精子プロテアソームを単離・精製し、鞭毛運動調節因子であり、鞭毛軸糸と細胞膜を連結する構造に局在することを明らかにした。奥野は哺乳類精子で運動活性化に関連するリン酸化タンパク質を明らかにした。また、外繊維鞘の滑り現象を発見した。中岡はゾウリムシの繊毛運動活性化はCa流入で起こること、有効繊毛波はcGMPによって形成されていることを明らかにした。野口は繊毛打方向制御に外腕3ヘッド22Sダイニンの29KDaの軽鎖と65KDaのタンパク質のcAMP依存のリン酸化が特に重要であることを示した。馬場は精子の鞭毛打周波数をパラメーターとして解析し、2オシレーターモデル仮説を提唱し、オシレーター2に特異的に作用する因子を見いだした。
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