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1994 年度 実績報告書

放散虫による顕生代海域環境の地史的変動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04304009
研究機関大阪市立大学

研究代表者

八尾 昭  大阪市立大学, 理学部, 教授 (40047353)

研究分担者 服部 勇  福井大学, 教育学部, 教授 (60020111)
水谷 伸治郎  名古屋大学, 理学部, 教授 (50022538)
坂 幸恭  早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063687)
酒井 豊三郎  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50089778)
猪郷 久義  筑波大学, 地球科学系, 教授 (20015572)
キーワード放散虫 / 顕生代 / 海域環境 / 地史的変動
研究概要

本総合研究(A)では,平成6年度は以下の成果を得た、
1.平成4・5年度に引き続いて,日本及び海外の陸域や海域から採集した顕生代放散虫試料を古生物学的・生層序学的・古生態学的・古生物地理学的に検討を行った.成果は以下の通りである.(1)日本におけるシルル系-デボン系の放散虫化石群の実態及び生層序が明らかになりつつあり,オーストラリアや北米の化石群との比較が可能になった.(2)ペルム紀-三畳紀の境界(P/T境界)をまたいで,放散虫群集が大量絶滅した実態や三畳紀古世末から中世にかけて急速に回復した過程の実態が明らかになってきた.(3)三畳系の放散虫生層序が詳細に明らかになった.(4)東アジア-西太平洋地域に広域に適用しうるジュラ系-白亜系放散虫生層序区分が提案された.(5)日本国内において,現世放散虫の飼育実験の準備が整いつつある.(6)太平洋・インド洋における現世放散虫フラックスの測定結果から,季節風と湧昇流の関連が明らかになった.
2.古生代から中生代にかけての放散虫古生物地理の概要の一部が明らかになった。とくにジュラ紀から白亜紀にかけてのテチス区・ボレアル区の区分が明確になった.
3.P/T境界を挟んでの大型化石(主としてサンゴ化石)の消長及び含化石機海成堆積相の変化と放散虫石の消長及び含放散虫遠洋性堆積物の岩相変化から,P/T境界及び三畳紀初期における広範な海域環境の変遷の実態が明らかになりつつある.
4.三畳紀-ジュラ紀層状チャート層の形成過程が明らかになりつつあり,また,その堆積の周期性から当時の気候変動に支配された海洋循環の変化が想定されるようになった.。
5.チャートにはチャート化以前の鉱物の残存組織が認められ,複雑な続成作用を受けたことが明らかになった.
6.日本における放散虫研究に関わる文献データベースが出来上がった.
7.第7回国際放散虫研究集会(INTERRAD VII;1994.10.20-24)では,約100名(海外から44名)の参加があり,140論文が発表され,大きな成果をおさめた.

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] Aita,Y.: "Late Triassic Radislaria from the Torlesse Terrane,Rimutaka Range,North Island, New Zealand" New Zealand Journal of Geology and Geophysics. 37. 155-162 (1994)

  • [文献書誌] Igo,H.: "A new Heterocaninia(Coelenterata,Rugossa) from the Carboniferous Ichinatani Formation" Sci.Rep.Inst.Geosci.,Univ.Tsukuba,Sec.B. 15. 47-69 (1994)

  • [文献書誌] 石田啓祐: "四国四万十帯北縁部の烏巣式石灰岩の放散虫年代" 地質学雑誌. 100. 312-315 (1994)

  • [文献書誌] Iwata,K.: "Siliceous microfossils (spinge-spicules and radiolaria)from Vendo-Cambrian of the Gorny Al tai." Rep.Int.Joint.Symp.IGCP Project 283,321&359. 33-35 (1994)

  • [文献書誌] Kito,N.: "New species of Middle Jurassic Actinomidae (Radiolaria)from Sicily" Revue de Micropaleintologie. 37. 123-134 (1994)

  • [文献書誌] Kojima,S.: "Mesogoic radiolarians from the Bagh Complex in the Muslim Bagh area,Pakistan" Bull.Geol.Surv.Japan. 45. 63-97 (1994)

  • [文献書誌] 松岡 篤: "平板状スプメラリア(放散虫)のアクソフラジェルムと殻にみられるその通過孔" 化石. 56. 349-363 (1994)

  • [文献書誌] Sashida,K.: "Living Radiolaria in the surface water off the coast of Shimoda,IzuPeninsula,Japan" Ann.Rep.Inst.Geosci.,Univ.Tsukuba. in press. (1994)

  • [文献書誌] Takahashi,K.: "Coccolithophorid biocoenosis:production and fluxes to deep sea" The Haptophyte Alage,Oxford Univ.Press. 335-350 (1994)

  • [文献書誌] 竹村 厚司: "四国微帯リン酸塩ノジュールの放散虫群集の年代について" 化石. 57. 1-5 (1994)

  • [文献書誌] 山崎 哲司: "四国の和泉層群北縁部地域の放散虫化石" 愛媛大学教養学部紀要. 14. 93-99 (1994)

  • [文献書誌] 八尾 昭: "日本列島形成史-テクトニクスにおけるパラダイムの変換-" 日本の科学者. 29. 45-50 (1994)

  • [文献書誌] Yao,A.: "Bibliography of radiolarian fossils" Co-operative research group on radiolarians, 90 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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