研究課題/領域番号 |
04304010
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
香原 志勢 立教大学, 一般教育部, 教授 (60062501)
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研究分担者 |
中野 良彦 大阪大学, 人間科学部, 助手 (50217808)
木村 賛 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (20161565)
岩本 光雄 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20027478)
宮下 節 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50015814)
岡田 守彦 筑波大学, 体育科学系, 教授 (60011615)
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キーワード | 霊長類 / 木登り / 垂直移動運動 / 四肢骨 / 四肢筋 / 動作解析 / 筋電図 / 基底核 |
研究概要 |
今日の社会では木登りは児戯の類にみられがちであるが、じつはヒト的な身体運動の多くはサル類の木登り運動に由来しており、それを考えると、木登り行動の進化的意義はきわめて大きく、研究に十分に値いする課題である。一般動物は垂直跳躍によりある程度の高さの樹木に上がり、また爪や吸盤を用いて木登りをするが、体重が重くなると不可能になる。その点サル類は手足で枝をつかみ、腕で幹をかかえることにより、他の動物では到底達しえない樹木の隅々にまですばやくおもむくことができる。そのような立場から各種サル類およびヒトの四肢骨の形態、四肢筋の走行と筋線維構造、運動様式などについて、形態学、映像による動作解析、筋活動分析などによる生理的諸機能の比較検討し、木登り行動を考察して、それぞれ成果を得た。他方、ヒトはサル類の身体動作をひきつぎ、とくに手の機能をいちじるしく発展させながら、地上を直立二足歩行をおこなうため、下肢が上肢に比し長くなり、木登りを必ずしも巧みにできなくなった。そういう中にあって、杉の枝打ち作業などを学び林業作業者の中には、格別すぐれた木登りをなすことができる。とくに日本では透逸な木登り技術が代々伝えられているので、その熟練者について調査をおこなった。またハシゴ登りを通して、ヒトの垂直移動にともなう生理的諸機能の実験研究をおこなっている。さらに運動様式の異なる各種サル類について、神経解剖的手法により、主として小脳、大脳基底格等の構築の定量的な解析をおこなった。
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