研究課題/領域番号 |
04304012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 篤志 東京大学, 農学部, 教授 (60023470)
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研究分担者 |
渡辺 昭 東京大学, 理学系研究科, 教授 (70023471)
三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
亀谷 寿昭 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (70006013)
常脇 恒一郎 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (20026438)
杉浦 昌弘 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (80027044)
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キーワード | 核ゲノム / 葉緑体ゲノム / ミトコンドリアゲノム / 構造変異 |
研究概要 |
植物細胞の細胞核、葉緑体、ミトコンドリアの3ゲノムの分子構造の変異を解析し、その結果を分子育種に利用するための研究を行った。 植物のミトコンドリアゲノムは構造が複雑でしかも変異を起こしやすいことが知られていたが、タバコの植物体と培養細胞のミトコンドリアDNAの構造を調べたところ、両者で可逆的に変異することが明らかになった。またテンサイでは雄性不稔株に稔性株と比べて、ミトコンドリアゲノムに構造変異域があるが、ここに4種の変異遺伝子(ScoxI,ScoxII,SatpA,Srps3)と2種のORF(Sorf171,Sorf1)を発見した。さらに長期培養過程で変異を示すミトコンドリアゲノムのホットスポットをライブラリーを用いてスクリーニングしたところ、2組の反復領域であることが示された。一方葉緑体ゲノムは共生成立後多数の遺伝子が核ゲノムへ移行したが、被子植物では葉緑体ゲノムに残っている、ndh遺伝子が裸子植物のクロマツではすべてが欠失し、核へ移行していることが発見された。 核ゲノムに関しては60プローブ・酵素組合せを用いて、4倍性および6倍性コムギの全種を含む42系統の核DNAのRFLP分析を行った。さらにイネ属Aゲノム野性種数十系統を加えRFLP分析を行った結果、イネ属Aゲノム種の類縁関係の概観が示された。また厳しい雑種選抜条件を設定することにより、科間雑種作出が可能であることも明らかになった。一方イネ核ゲノム由来のcDNAを約3000解析し、200以上の機能遺伝子を同定した。これらの遺伝子はイネ染色体上に、機能とは無関係にランダムに分布さることが示された。
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