研究課題/領域番号 |
04304014
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
茶珍 和雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081519)
|
研究分担者 |
山内 直樹 兵庫県立姫路短期大学, 食物栄養学科, 教授 (60166577)
秋元 浩一 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021727)
土田 広信 神戸大学, 農学部, 教授 (60031184)
兵藤 宏 静岡大学, 農学部, 教授 (40023452)
中村 怜之輔 岡山大学, 農学部, 教授 (70021053)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | 鮮度評価 / ビタミンCの保持 / 生体の酸化還元状態 / エチレン生成 / 食物繊維 / クロロフィルとカロチノイド / 生体膜の構成要素 / ショ糖合成酵素 |
研究概要 |
本研究では青果物の収穫後の鮮度あるいは品質変化と物質代謝活性の変化とを比較し、物質代謝の面からとくに鮮度評価を試みた。研究課題について得られた結果の概略は次ぎのようである。 本研究おいて最も多く使用されたブロッコリーについてみると、外観上の鮮度の低下は貯蔵中に花蕾の黄化によって判断され、それに伴いビタミンCは減少し、花蕾の緑色とビタミンCの保持との相関は高いことが示された。生体の酸化還元状態を示すNAD^1/NADHやNADP^1/NADPH比も緑色の退色と反応する変化を示したが、AMP、ADP、ATPやエネルギーチャージの値の収穫後の変化は少なく、鮮度評価の対象としてはなり得ないことが示された。クロロフィルの分解・黄化に伴いエチレン生成は増加したが、エチレン生成系の活性は必ずしも一致しなかったが、ブロッコリーと切断カボチャを用い、エチレンは老化促進因子であり、その生成の抑制は鮮度保持に密接に関係し、温度、酸素、二酸化炭素、その他化学物質の処理によって達成された。全食物繊維量は収穫後の変化が少ないことが認められ、通常の状態では常に食物繊維のよい供給源であることが認められた。このような結果から、魚の鮮度評価に使用されているヌクレオチドの変化をもとにした指標は作成することが困難であることが知られた。 その他のトマト果実、ナシ果実、ジャガイモ、ホンレンソウなど青果物を用いた実験結果から、老化促進物質であるエチレン生成、クロロフィルやカロチノイドの消長、栄養学的要素や生体調節作用をもつ物質の消長、酸化還元に関する比率や酵素活性の変化、果実では甘味形成に関係するショ糖合成酵素活性、細胞壁や生体膜の構成要素の変化やそれらの変化に関係する酵素活性の変化などを基本としたものが、鮮度評価のための指標に適しているものと思われた。またこれらの組み合わせによる指標作成を試みる必要性があるが、青果物の特長ある品質特性は二次代謝によって支えられ発現されるので、本研究で用いられた研究方式をもとにさらに改善を加え、個々の青果物について品質特性を支える代謝活性と鮮度との関係およびその制御段階を明らかにすることが必要であると考えられる。
|