| 研究課題/領域番号 |
04304015
|
|---|
| 研究機関 | 東京農工大学 |
|---|
研究代表者 |
黄色 俊一 東京農工大学, 農学部, 教授 (80015081)
|
|---|
| 研究分担者 |
島田 順 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00015124)
横山 岳 東京農工大学, 農学部, 助手 (20210635)
中田 徹 北海道大学, 農学部, 助教授 (80001436)
武井 隆三 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021161)
小林 正彦 東京大学, 農学部, 教授 (60162020)
|
|---|
| キーワード | 家蚕 / 倍数体 / 雌核発生 / 胚致死 / 染色体 / 胚子 / 不妊 / 単為発生 |
|---|
| 研究概要 |
温湯処理、冷蔵処理および氷水処理により倍数体蚕の誘発を行った。マーカー遺伝子の発現、染色体数、性クロマチン数、妊性および次代における形質の分離から倍数体および性染色電構成を判定した。
産下直後の卵に46℃、18分の温湯に浸漬、0℃、2日冷蔵および0℃、2日氷水に浸漬することにより、不還元型卵核が形成され、高率に精核(n)と受精が起き、ZZW型の3倍体雌蚕を誘発することができた。また、受精が起こらなかった場合は、雌核発生蚕となり、この雌核発生蚕にはZZWW型の4倍体が出現した。正常2倍体雄と交尾したZZW型3倍体雌蚕は潰れ卵や不整形卵を混在していたが、受精卵も多く出現した。この受精卵は約70本の染色体(2.5n)を有し、様々な発育段階で胚致死していた。3倍体の卵巣卵は単為発生し、孵化することから、3倍体雌の形成する卵には正常な機能が備わった卵が存在しており、3倍体雌の不妊は卵に以上があるためではなく、その次代の胚子に原因があることが明らかとなった。正常2倍体雄と交尾したZZW型3倍体の産下直後の卵に温湯処理することによりZZZW型の4倍体を誘発することもできた。
ZZWW型の雌核発生4倍体の次代において雌雄や血色の形質分離に異常が観察された。同様の現象は単為発生蚕に出現したZZWW型4倍体の次代においてもみられた。このような形質分離の異常は4倍体の減数分裂時に染色体の不分離が起きたためと考えた。誘発された倍数体は2倍体と比べてほとんど形態的に差が見られないが、形成する卵の形態には特徴が見られた。ZZW型の3倍体は潰れ卵や不整形卵を多く含み、ZZWW型4倍体は大卵を、ZZZW型4倍体は長径が短く、短径が長い球形を呈していた。
|
