研究分担者 |
島田 順 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00015124)
横山 岳 東京農工大学, 農学部, 助手 (20210635)
中田 徹 北海道大学, 農学部, 助教授 (80001436)
武井 隆三 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021161)
小林 正彦 東京大学, 農学部, 教授 (60162020)
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研究概要 |
カイコの卵巣卵および産下直後の卵に温湯処理や過冷却処理を施すことにより倍数体の誘発実験を幅広く行った。誘発率やマーカー遺伝子の発現,妊性,核当りの性クロマチン数及び核当りのDNA量から倍数性を判定した。その結果,産下直後の卵に46℃,18分温湯処理することにより,不還元分裂型の卵核(2n,ZW)が形成され,これと精核(n,Z)の受精によりZZW型3倍体が高率に誘発することができること,また,3倍体だけでなく,僅かであるが6倍体も誘発されることを昨年まで明らかにした。本年は単為発生による倍数体の誘発を試み,ZZWW型の4倍体およびn+2n+3n型の混数体が誘発されることを明かとした。 卵巣卵に46℃,18分温湯処理を施すことにより,不還元分裂型の卵核(2n,ZW)が形成され,この卵核がさらに倍加することによってZZWW型の4倍体が誘発された。この4倍体の次代では性比や形質の分離比が理論比から大きく外れており,4倍体の形成時に染色体の癒着がおき,減数分裂時に不分離が起こると結論された。また,卵巣卵に46℃,2分の温湯処理を施すことによって還元分裂型の単為発生卵を得た。この単為発生卵の胚子のDNA量を調査した結果,ほとんがn+2n+3n型の混数体であった。また,催青したが孵化歩合は極めて低く,3%を超えることは無かった。胚致死の原因を解明するために,胚子の発育を組織学的に検討した結果,反転した個体はみられず,中腸形成に異常があると考えられた。
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