研究課題
総合研究(A)
1)病理学的検索病理学的検索から、超強毒株は鷄体内で極めて早く増殖し、また多様な臓器で増殖することが示唆された。2)超強毒株の遺伝子解析超強毒株の分節AおよびBの塩基配列を決定し、病原性決定遺伝子の同定を試みた。分節Aについては、超強毒株に由来する細胞馴化弱毒株の塩基配列も決定し、超強毒株の配列と比較・解析した。また、決定した塩基配列について分子進化学的解析を行い、超強毒株の起源について検討した。超強毒株には、VP2のアミノ酸変異領域や前駆蛋白質のプロセッシング部位付近に特異的なアミノ酸残基が認められ、これら特異的アミノ酸残基と超強毒株に特徴的に認められる致死的病原性との関わりが推察された。塩基配列の解析から、超強毒株、ワクチン株および従来型病原株にそれぞれ特異的な制限酵素切断点が認められ、RT-PCR法と併せて迅速な診断・型別に極めて有用であることが示唆された。決定した塩基配列から系統樹を作製したところ、超強毒株は従来株と同時期あるいはより以前に出現し、いわゆる従来型を起源とはしていない可能性が示唆された。3)新しいワクチンの開発超強毒株を鷄胚および細胞で馴化した株の病原性および超強毒株に対する免疫効果について検討した。細胞馴化の過程で、超強毒株の病原性は十分に減弱され、馴化株感染鷄にほとんど病変は認められなかった。また、超強毒株による攻撃試験で十分な防御効果が認められ、馴化株は将来生ワクチンとして極めて有望であると思われた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (14件)