研究課題/領域番号 |
04304037
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
鬼頭 昭三 放送大学, 教養学部, 教授 (00010140)
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研究分担者 |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
藤澤 仁 旭川医科大学, 教授 (10027039)
栗山 欣彌 京都府立医科大学, 教授 (20079734)
佐藤 公道 京都大学, 薬学部, 教授 (80025709)
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 長期効果 / 原癌遺伝子 / nicotine / 長期効果増強 / GABA受容体 / 興奮性アミノ酸 / サブスタンスP / キナーゼIV |
研究概要 |
近年、種々の成長因子やホルモンによる細胞刺激が遺伝子発現を変化させることが知られるようになり、細胞の長期応答との関連において臨床薬理学的な立場からも注目されている。例えば、中枢神経系における化学的情報伝達機構や薬物依存のような応答において、原癌遺伝子が関与することが知られている。本研究では、中枢神経系での各種神経活性物質の細胞内応答を分子生物学、電気生理学、形態学などの多方面から総合的に研究し、遺伝子の変化を含めた神経情報伝達機構の理解を深めることを目的とする。nicotineは、10^<-9M>〜10^<-4M>の範囲内の用量依存的dexamethasoneの毒性増強作用を抑制し、細胞保護的に働くことを認めた。 一方、扁桃核細胞に対するestrogenの作用を検討した結果estrogen単独で、低濃度では細胞保護的に高濃度では用量依存的に細胞毒性を示すことが判明した(鬼頭昭三)。 海馬スライス標本を用いた電気生理学的研究により、苔状繊維-CA3錐体細胞シナプスにおける長期増強発展に関与するコリン作動性調節機構を明らかにした(佐藤公道)。アルコール依存症成立に伴う脳内GAB_A受容体の構成変化を検討した。その結果アルコール依存は脳内GABA_A及びGABA_Bの両者に変化を与え、これらの抑制系機能の障害がアルコール禁断症状の発展に関与する可能性が考えられた(栗山欣彌)。脳内生理活性物質の中でも特に、興奮性アミノ酸の長期効果出現メカニズムを遺伝子の転写調節レベルで追求した(米田幸雄)。GABA_A受容体γ_1・γ_2サブユニットのグルタミン酸AMPA型受容体GluR1.2の後根神経節ニューロン及び脊髄後角ニューロンにおけるmRNA発現を検討した(遠山正彌)。神経ペプチドのサブスタンスP(SP)の中枢神経機能の及ぼす影響を検討するため、脳及びグリアグリア細胞由来のU-87 MG細胞を用いてSP受容体発現調節機構を調べた(仲田義啓)。ラット海馬の遺伝子発現に及ぼすペンチレンテトラゾール(PTZ)、カイニン酸(KA)全身的投与の効果を調べた(村木 篁)。cycolohexamideによるc-fos mRNAの発現はcenele-fide処置により抑制された(小川紀雄)。キナーゼIVをラットの脳から精製してその性質を調べ、脳に特異的に豊富に分布する多機能性プロティンキナーゼであることを示した(藤澤 仁)。
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