研究課題/領域番号 |
04304038
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
武藤 泰敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20010069)
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研究分担者 |
沖田 極 山口大学, 医学部, 教授 (70107738)
鎌田 武信 大阪大学, 医学部, 教授 (80028399)
和気 健二郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00046963)
黒川 清 東京大学, 医学部, 教授 (30167390)
水戸 廸郎 旭川医科大学, 教授 (60000981)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 細胞障害性T細胞 / NK細胞 / 胸腺外分化T細胞 / 細胞外マトリックス / TGF-β / 肝微小循環 / apoptpsis / インターフェロン-γ |
研究概要 |
1.肝細胞死の機構:(1)C型慢性肝炎患者末梢血でHCVコア抗原刺激に反応するHLA class I抗原B44拘束性CTL活性の存在が確認された。(2)C型慢性肝炎患者生検肝では肝細胞の核DNAの断裂像は観察されず、Fas-1igandならびにFas抗原系に抑制的に作用するbc1-2遺伝子産物の発現も観察されなかったとの報告がなされた。(3)クッパー細胞がapoptosisに陥った肝細胞の処理によりさらに活性化される可能性が示された。2.炎症性サイトカイン:(1)IFN-γが肝細胞のapoptosisを誘導し、HGFがそれに拮抗的に作用することが示された。(2)TNF-αは類洞収縮により肝の虚血を惹起させることが明らかとなった。3.c-met:HGFの受容体であるc-metは再生過程で肝細胞のDNA合成のピークに先行して増強されることが報告された。4.肝細胞増殖因子の細胞内情報伝達機構:肝細胞障害後、部分切除後いずれにおいても肝細胞増殖因子による肝再生のシグナルは蛋白質燐酸化酵素の活性化によることが明らかとなった。5.肝細胞増殖抑制因子:(1)TGF-β_1の肝内での過剰発現あるいはHGFに先行する発現が急性肝不全の肝再生不全に関与している可能性が示された。また劇症肝炎における偽胆管部位におけるTGF-β_1の発現、apoptosisの有無について報告された。(2)劇症肝炎患者血中の新たな肝細胞増殖抑制因子が報告された。6.細胞外マトリックス:プロテオグリカンはその分子種により肝細胞の接着やHGFとその受容体との結合の制御を介し肝再生に関与している可能性が報告された。7.肝再生と神経系:肝膵同時支配神経細胞の検討から肝再生は複数臓器相関から成っていることが報告された。8.肝微小循環動態:伊東細胞やクッパー細胞が肝類洞血流を調節していることが報告された。9.肝再生と免疫系:再生肝細胞に対しNK細胞ならびに胸腺外分化T細胞が障害活性を有する可能性が報告された。
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