研究分担者 |
金子 昌生 浜松医科大学, 教授 (90107805)
西谷 弘 徳島大学, 医学部, 教授 (50117206)
石垣 武男 名古屋大学, 医学部, 教授 (60094356)
宮坂 和男 北海道大学, 医学部, 教授 (60001939)
稲邑 清也 大阪大学, 医学部, 教授 (90203207)
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研究概要 |
(1)画像診断における認識と思考過程を客観的に記述できるように工夫した調査用ワークシートを作成し,放射線医と主治医側にアンケート調査を行い,全国国立大学13施設よりCTとMRIの診断についてそれぞれ130症例,合計260症例のデータを収集した。 (2)その結果,読影のプロセスでは直感よりも認識と思考の過程のケースが圧倒的に多いなど,その他22項目にわたる所見が得られた。 (3)画像診断のプロセスの中の思考過程のみならず,その成果が主治医のデシジョンメ-キングでの思考に大きく影響を与えることに着目した。画像診断の臨床有効度を医療判断学の最近の研究成果を応用しながら分析する方法を検討した。 (4)PACS(Picture Archiving and Communication System,医用画像の保管管理システム)の臨床有効度における3軸(診断確度,経済性,タイミング)のうちの診断確度について着目して検討をすすめた。 (5)直感の後に認識・思考というプロセスに集中し主治医と放射線診断医にインタビューを行った。 (6)画像診断の有効度を最大化するにはどうしたらよいかという問題点を追求するためにあらたに次のような目的の設定を行い,データ分析を行った。 (イ)主治医による医療判断に与える影響を測定することにより画像診断の定量的評価を行う手法をみつける。 (ロ)それにより画像診断の有効性を最大化する。 (7)画像診断の有効性を最大化するには次の事柄が実行されることが効果的である。 (イ)主治医側は診断以来の目的をできるだけ正確に記載すること,と逆に放射線医側に自分の意志決定に与えた影響の度合をできるだけ正直にかつ定量的に述べること。 (ロ)診断医側は自分の診断の精度についてできるだけ正直にかつ定量的に述べる事。
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