研究課題/領域番号 |
04304048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇井 理生 東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
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研究分担者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
木村 成道 (都)老人総合研究所, 分子生物学, 室長 (60073029)
堅田 利明 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10088859)
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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キーワード | 3量体G蛋白質 / 細胞分化 / ホスホリパーゼC / ホスホリパーゼD / 百日咳毒素 / ADPボシル化 / レチノイン酸 / ビタミンD_3 |
研究概要 |
G蛋白質の活性調節に関与する細胞内因子(市川厚、堅田利明、木村成道担当)に関しては、マスト細胞でIgE受容体刺激がヒスタミンを放出させる時に、Giα、Gsαは細胞内へ放出されるが、このときに会合する蛋白質の精製を進めている。また、精製G蛋白質を活性化するマストパラン様物質とADPリボシル化活性物質を細胞質画分に見出し、同定を進めている。G蛋白質のGDPを直接リン酸化する可能性のあるNDPキナーゼはcDNAのクローニングに成功し、大腸菌でリコンビナント蛋白質を発現させ精製中である。細胞分化におけるG蛋白質の関与(宇井理生、野村靖幸担当)に関しては、HL-60細胞において、顆粒球または単球への分化に先立つc-myc mRNAの発現抑制を指標に検討し、分子因子のうち、核内受容体を介するレチノイン酸(RA)活性型ビタミンD_3(VD)は単独で高濃度(1μM)では0.5-1時間に発現抑制を起すが、細胞膜受容体を介するTNFα、INFγは作用が非常に遅い。しかし単独では無効の低濃度(1nM)のRA、VDで2時間処理した細胞は、同じく単独では作用しない低濃度のTNFα、INFγに応答して1時間以内にc-myc発現を在意に減少させる許容効果が権察された。膜受容体が3量体G蛋白質を介して情報を送ることは百日咳毒素の効果より証明された。野沢義則は、好中球、血小板で受容体刺激がホスホリパーゼCよりもホスホリパーゼDを介して細胞応答を引きおこすことを見出した。芳賀達也はムスカリン受容体の受容体キナーゼによるリン酸化がアゴニストだけでなくβγによっても促進されること、されはβγと受容体蛋白質との会合の結果であることを示した。浅野富子はγの遊離型とイソプレニル化型を分離精製することに成功した。一方、中畑則道はマストパランによるホスホリパーゼCの抑制におけるGiの関与について興味ある知見を得ている。
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