研究課題/領域番号 |
04304049
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
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研究分担者 |
山下 光司 静岡大学, 工学部, 助教授 (60110748)
瀬戸 治男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10013335)
林 陽 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088313)
杉田 陸海 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20024937)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | C-P化合物 / 糖脂質 / 神経系 / 抗生物質 / C-P結合合成酵素 / 遺伝子 / C-P結合の化学合成 |
研究概要 |
本研究は、天然のC-P化合物シリアチンが世界で初めて堀口と神立により分離同定されて以後の我が国におけるC-P研究の流れを継ぐものである。研究テーマを、(1)天然C-P化合物の検索、分離、構造決定(2)C-P化合物の組織分布(3)C-P化合物の生物活性に関する研究(4)C-P化合物の生合成機構(5)C-P化合物の化学合成の5項目に定め各テーマについて第一線の研究者で班を組織し、C-P化合物の医学的応用を最終目的として2年間の研究を行った。(テーマ1)前口動物系のC-Pスフィンゴ糖脂質に糖の組成及び糖鎖構造が後口動物糖脂質とは異なる多数のものを同定し、更に単一の分子にC-PとC-O-Pの両基を結合するものを同定した。C-PからC-O-Pスフィンゴ糖脂質への分子進化を示すものと考えられる。(テーマ2)抗ホスホノグルコセレブロシド抗体は特異的に甲殻類神経組織を染色することを明らかにした。軟体動物のC-Pスフィンゴ糖脂質の或るものは神経組織に局在することと合わせて、C-P化合物の神経機能との関わりを示唆した。(テーマ3)軟体動物(アメフラシ)のC-P糖脂質は、A-キナーゼの触媒サブユニットと結合し、A-キナーゼを活性化することを明らかにした。A-キナーゼ以外の蛋白質燐酸化酵素には働かない。(テーマ4)抗生物質ホスホマイシンの生合成に重要なホスホエノールピルビン酸ホスホムターゼとPnPy脱炭酸酵素の遺伝子を酵素欠損株を用いクローニングし、更にビアラホスのC-P-C結合合成にかかわるP-メチル化酵素遺伝子をクローニングし、アミノ酸組成を決めた。(テーマ5)糖のヘミアセタール環内の酸素原子をリン原子で置き換えたリン糖化合物の合成を、不飽和複素環化合物の2-ホスホレンと3-ホスホレン類に種々の官能基を置換して行い多数の化合物を合成した。これらの化合物に生理作用を見出し、医学的応用の可能性を示した。
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