研究課題/領域番号 |
04304052
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笠井 憲雪 北海道大学, 医学部, 助教授 (60001947)
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研究分担者 |
安藤 進 東京都老人総合研究所, 生体膜部門, 研究部長 (30073000)
林崎 良英 理化学研究所, 研究員 (70192705)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 助教授 (80090471)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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キーワード | 外挿 / 実験動物 / 遺伝的相同性 / 遺伝情報 / 薬物代謝酵素 / 薬物代謝能 / 疾患遺伝子 / 膜酵素 |
研究概要 |
動物に一定の処置を加えてその反応を観察し、そこからヒトで起こる反応を類推することを外挿というが、近年の分子生物学の急速な進展に伴い、遺伝子レベルで外挿を論じる事が可能となってきた。しかしこれまでに蓄積された遺伝情報が薬物の代謝や動態のヒトへの外挿にどのように役立つのかは、余り検討されていない。本研究ではまず、ヒトと実験動物の遺伝的相同性を薬物代謝酵素や疾患遺伝子などにより検討する。同時に各種実験動物の肝臓薬物代謝酵素の代謝能を調べ、それによるヒトの薬物代謝能の予測方法を見いだす。そしてこれらの結果を総合的に把握することにより、外挿における合理的な方法・理論を見いだす。これらの事を目的として、研究は始められた。 2年目に当たる本年度は、以下の項目を具体的や研究目的として研究を行った。まず各種実験動物の肝臓薬物代謝酵素P-450cDNAを単離し、その機能と遺伝子構造を調べ、ヒトの代謝能の予測をする事を目的とした。また各種実験動物の薬物代謝能からヒトのそれをスケールアップするために、P-450代謝薬物の各種動物の代謝クリアランス値を調べ、数々の方法でヒトのクリアランス値に補外し、ヒトでの値と比較した。一方、ヒトウイルソン病の遺伝子(WND)が確定されたが、この遺伝子とこの疾病のモデル動物とされているLECラットの肝炎遺伝子が相同性があるか否かを調べた。また発生分化関連遺伝子を2次元電気泳動ゲノミックスキャナーにより検出し、ヒトを含む動物間や系統間の相同性を調べ、データを蓄積した。さらに遺伝子座およびリンケージ群などの比較マッピングからヒトと実験動物の遺伝的相同性のデータを蓄積した。野生と実験動物のマウスの遺伝子について、その相同遺伝子について比較し、さらにヒトとの相同性を調べた。ヒトと実験動物のシナップス膜脂質、膜酵素、膜透過性を生化学的に調べ、各々の相同性を調べた。。またカルモジュリン遺伝子を各種実験動物からクローニングし、ヒトのそれと比較した。以上の研究は、大部分は現在も進行中であり、最終年度の明年度へ向けて、まとめる方向へ向かっている。
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