研究分担者 |
内海 利夫 新潟大学, 医学部, 助手 (50143764)
和田 明 京都大学, 理学部, 助手 (80025387)
田中 龍夫 琉球大学, 医学部, 教授 (70018688)
大鷹 英子 広島大学, 原医研, 教授 (30034630)
高木 正道 東京大学, 農学部, 教授 (50018339)
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研究概要 |
我々は,真核細胞リボソームに特徴的と考えられるリボソームタンパク質,ことに,シクロヘキシミドの感受性に関係しているタンパク質や,酸性リボソームタンパク質ファミリー,に焦点をあててその構造と機能を研究し,さらにそれを手がかりに真核細胞リボソームの特性を明らかにすることを目的としている.昨年度中に班員によって得られた成果は次のようである.1.酵母Candida maltosaなどに見られる菌類でのシクロヘキシミド耐性という性質はリボソームタンパク質L41の56番目のアミノ酸の性質によることがわかり,殊に,C.maltosaでは耐性型のL41タンパク質の遺伝子はon-offのスイッチが入ることを示した(高木).2.RFHR法でラット肝リボソームタンパク質を分析.6個の未知タンパク質を見出し,アミノ酸配列解析を行った.それらはUBI-1に相同性を示す新成分,既知S23a,L13の修飾されたもの,などであった(和田,内海).3.ラット肝リボソームの"GTPaseドメイン"の真核生物型高次構造を認識する抗体(抗28S)を作成し,この部位の結合タンパク質の結合能やその抗体による認識度を測定したところ,酸性リボソームタンパク質,およびL12が真核生物に特徴的なRNA構造形成に関与することが判明した(内海,劔).4.ニワトリや酵母のリボソームタンパク質遺伝子のいくつかについて塩基配列を決定した.さらに,これらを含む55種の相同リボソームタンパク種データベースの構築を進め,真核化構築機構に関わりあいの深い事象を浮き彫りにした(大鷹,田中).これまでのところ研究は比較的順調に進められている.来年度は3年目の最終年度になるが,班員同士の連絡を更に密にしながら,このままの方向で研究を進めれば,かなりの成果が期待される.
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