研究課題/領域番号 |
04305003
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 伸之 東京大学, 文学部, 教授 (40092374)
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研究分担者 |
杉森 哲也 放送大学, 教養学部, 助教授 (20226468)
岩田 浩太郎 山形大学, 人文学部, 助教授 (30184881)
小島 道裕 国立歴史民族博物館, 助教授 (90183805)
伊藤 毅 東京大学, 工学部, 助教授 (20168355)
玉井 哲雄 千葉大学, 工学部, 助教授 (80114297)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 戦国期城下町(原・城下町) / 複合城下町 / 巨大都市 / 三都(江戸・大阪・京都) / 社会・空間構造の特質 / 城下町 / 比較史的検討 / 学際的交流 |
研究概要 |
日本の前近代社会は、世界史上でも稀な規模の三つの巨大都市を生み出した。近世における三都-江戸、大阪、京都-がそれである。本研究の目的は、近年急速に進展をみせつつある日本都市史研究の動向を基盤において、この間に最も多くの成果をあげている中世・近世の日本史と建築史の二つの専門分野を柱とし、前近代・巨大都市の社会構造の特質を、空間構造の解析と並行して総合的に解明しようという試みであった。研究計画の遂行にあたっては、特に以下の二点を重点的課題として設定した。 [課題(1)]本研究では、巨大都市・三都を、前近代都市の固有類型の一つである「城下町」の最高の到達点とみなす仮説を掲げた。その検証にあたっては、戦国期城下町(原・城下町)から、織豊系城下町さらには幕藩制下の城下町等をも素材として、共同作業の中で比較・検討し、そのために、三都のみでなく全国の城下町についての詳細なデータをまとめ共有した。この作業は、文献をはじめ、三都〜原・城下町に関する文書群や絵図・地図史料の撮影・コピー塔による収集を第1段階とした。次に、第二段階として、得られた史料類を分類・整理し、内容分析を経て明らかになった論点に応じて体系化し、これらの成果の公開をはかった。 [課題(2)]巨大都市の"巨大性"の内容、またその下での社会・空間構造の特質とは何か。この点の解明は(ア)日本近・現代の巨大都市群(メガロポリス)、(イ)近世東アジアの諸巨大都市、(ウ)イスラム都市、(エ)ヨーロッパ前近代の巨大都市等との比較史的検討と、日本史以外の歴史学や考古学、歴史地理学等と学際的交流ぬきには容易に達成できない。こうした共同討議の基礎作りのために、中規模な公開シンポジウムを実施し、その成果をまとめた。 最終年次である今年度は、課題(2)の実現を重点とした。分担研究者の共同研究の成果を生かして、10月29・30日の両日に約100人規模の公開シンポジウムを開催した。テーマは「前近代・巨大都市の社会と空間」とし、課題(2)で述べた広領域の研究者をも交え、共同討議を行った。シンポジウムの概要は、課題(1)の成果と併せてとりまとめ、刊行の予定である。
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