研究課題/領域番号 |
04305004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 明 東京大学, 教養学部, 教授 (10012460)
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研究分担者 |
木間 正道 帝京大学, 文学部, 助教授 (80215300)
田中 恭子 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00167496)
高木 誠一郎 埼玉大学, 大学院・政策科学研究科, 教授 (90114214)
若林 正丈 東京大学, 教養学部, 教授 (60114716)
平野 健一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (40012463)
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キーワード | 台湾アイディンティティ / サブ・ナショナリズム / 地方分裂主義 / 相互依存 / 中華民族 / 愛国主義 / 台湾海峡 / 香港の主権返還 |
研究概要 |
中国の政治経済改革に関する総合研究の最終年度にあたり、中国の経済発展が持続可能なコースをたどり、今後、「発展した、安定的な中国」として存在しうるようになりうるかどうかについて、検討を加えた。中国と周辺諸国の相互依存関係は深まっていくと思われるが、それが、今後、どの程度の深まりをみせるのか、研究した。中国とロシア、朝鮮半島、日本、アメリカ、台湾、香港、ベトナム、東南アジアとのバイの関係がどうなるかを個別に研究するとともに、中国とアジア・太平洋の周辺諸国・地域の関係が全体としてどうなるのか、という点についても併せて考察した。香港の主権返還が1997年とまじかに迫り、中国と台湾の関係がどうなるかが、大きな課題である。台湾では、台湾アイディンティティの確立を求める動きが強まっている。こうした台湾ナショナリズムの高揚に対し、中国当局は中華民族のナショナリズム論の立場に立ち、台湾の祖国復帰による中国の統一を求めている。台湾海峡を挟んで、2つのナショナリズムがぶつかっているわけである。また、中国当局は、独立か統一かという座標軸でしか、台湾情勢を分析できず、台湾における民主化の進展を評価できない。さらに中国内部では、チベット、新疆で少数民族を担い手とする、いわばサブ・ナショナリズムの運動が根強く繰り広げられている。こうした動きに中国当局は、地方分裂主義というレッテルを貼っている。今後、国内の統合の問題も中国にとって大きな問題となってくることが予想される。危機に直面している中国当局は、上からの愛国主義の注入によって12億人を束ねて行こうとしているが、その前途には、大きな困難が予想される。
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