研究課題/領域番号 |
04305009
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 福井県立大学 (1994) 京都大学 (1992-1993) |
研究代表者 |
常脇 恒一郎 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (20026438)
|
研究分担者 |
遠藤 隆 京都大学, 農学部, 教授 (60068830)
安室 喜正 鳥取大学, 農学部, 教授 (50026374)
三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
平井 篤志 東京大学, 農学部, 教授 (60023470)
荻原 保成 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (40185533)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | イネ科作物 / DNAライブラリー / RFLP連鎖地図 / rRNA遺伝子 / 種特異的配列 / 高度反復配列 / 配偶子致死遺伝子 / Mutator |
研究概要 |
本総合研究班において実施した3項目の研究の成果概要は、以下のとおりである。 1)RFLP座位の連鎖地図の作成:常脇はパンコムギの21染色体のRFLP座位の連鎖地図を作成し、ほとんどの座位の座乗染色体腕を決定した。中村は、RAPD断片のコムギ染色体上の位置を決定した。また、常脇、森、中村は、これらRFLP座位を標識するDNA断片をプローブとするRFLP分析により、4倍性および6倍性コムギのすべての種について互いの系統関係を確立し、併せて、各ゲノムの遺伝的変異量と進化速度を推定した。一方、荻原は一粒系コムギのRFLP座位の連鎖分析に必要なDNAクローンを作出し、平井はパルスフィールド電気泳動により巨大DNA分子の単離に成功し、三上はペレニアルライグラスのrRNA遺伝子領域の物理地図を作成した。 2)特異的配列の研究:期間中に最も大きな研究の展開をみたのがこの項目である。向井、辻本および山本は、GISH法およびFISH法を開発した。荻原、宮下、寺地、辻本、安室はコムギ、カモジグサ、ライムギなどに特異的な高度反復配列のクローニングに成功したが、これらクローンを用いたGISH法やFISH法(とくに、多色FISH法)による研究により、ゲノムおよび染色体における複数の特異配列の空間および線状配列について極めて新寄性の高い情報が得られた。また、遠藤による分染法の改良により、染色体の分染地図とRFLP地図の統合が可能となり、遠藤、向井、辻本および常脇は、それぞれ、別個の染色体について両地図の統合に成功した。 3)ゲノム再編成因子の研究:遠藤はパンコムギにおいて、配偶子致死遺伝子によって誘発される染色体末端の欠失を精力的にスクリーニングし、400以上の欠失を同定した。この系統は上記の分染地図とRFLP地図の統合に大きく貢献した。谷坂はイネの細粒遺伝子座に近接して存在するmutatorの遺伝的特性を解明するとともに、この遺伝子をクローニングするための分子的方法を追及し、確立が最も高いと思われる方法を明らかにした。
|